意義と影響語る
女子留学生の貢献
ジャパン・ソサエティーで
日本から岩倉使節団が米国に渡ってから150年。その意義と影響について、ジャパン・ソサエティーで3月24日夕、パネル・ディスカッションが行われた。同日、岩倉使節団に関する特別デジタル展のオープニングも併せて行われた。岩倉使節団は、1871年から73年にかけて、100人以上の政府首脳、皇室関係者、学生から構成され、世界各地を周遊し、著名な国家元首、商工界の大物と面会し、多数の文化施設を訪問した。
使節団メンバーは欧米の政治、製造、軍事、教育などを綿密に研究し、帰国後の日本社会の変革に大いに役立てた。さらに、訪れた場所や人について深く観察し、今日まで続く多くの繋がりを築いた。この記念すべき150周年を祝して、「Daughters of the Samurai」の著者ジャニス・ニムラ氏、ジョージタウン大学日本史教授ジョーダン・サンド氏、ラトガース大学助教授若林晴子氏の3氏がパネリストとなり、岩倉使節団の足跡と、特に日本人の女子留学生に焦点をあて意見を交わした。
ディスカッションの冒頭にニューヨーク日本歴史評議会の本間俊一コロンビア大学教授が登壇して挨拶したあと、このほど着任したニューヨーク総領事の森美樹夫大使がスピーチした。大使は、岩倉使節団来米150年と同じく、ニューヨークに日本総領事館が設置されたのも、日本に野球が紹介されたのも150年前だったことを紹介して日米交流の歴史を振り返り、5月14日に予定されているジャパン・パレードへの協力を呼びかけた。
ディスカッションでは、ニムラ氏の著書に出てくる初代の日本人女子留学生5人について紹介。大山捨松(1860〜1919)は米国で大学の学位を取得した最初の日本人女性で1882年にニューヨーク州ポキプシーのヴァッサー大学を卒業、帰国後は、留学に同行した最年少の津田梅子と共に津田塾大学を創設、日本の女子教育に多大な影響を与えたと述べた。
ラトガース大学の若林助教授は、岩倉使節団の子息たちが同大学で学んだことや、幕末から明治初期にかけて多くの日本人留学生を同大学が受け入れたことを紹介し、彼らが帰国後に日本の近代化の夜明けに大きく貢献し、歴史に名を残したと説明した。
NY日本人歴史博物館ウェブサイト:www.historyofjapaneseinny.org