ブロードウエー中止
スポーツイベントもなし
ブロードウエーの全ての劇場、メトロポリタンオペラ劇場、カーネギーホールが全ての公演の中止を発表した。ミュージカルの上演が12日急遽中止となったブロードウエーでは、通常開幕時間の午後７時前にはほとんどの客が払い戻しのための整理券などを劇場入り口で受け取った。「シカゴ」を上演している49丁目のアンバサダー劇場前には、スイスから観光旅行で来ていたデビッド・ブルムさんが途方に暮れて立っていた。「２時間前に、スイス航空から帰国予定の日曜日のフライトがキャンセルになったとメッセージがきた。国外に出る便は大丈夫だと思っていたのに機材が飛んで来れないからなのか。泊まる場所も決まっていなくて困ってしまった」と途方に暮れていた。
「トウ・キル・ア・モッキンバード」を上演している44丁目のシューベルト劇場では、ブルガリアからグループ旅行でこのステージを見に来た一行が、公演が中止となって、仕方がないので劇場前で「悲しそうな表情」をして記念撮影していた。
延期または中止になったスポーツイベントは、ＮＢＡ（全米バスケットボール連盟）、ＮＣＡＡ（全米大学スポーツ連盟）、ＭＩＳ（メジャーリーグサッカー）、ＮＨＬ（全米ホッケー連盟）、ＭＬＢ（大リーグ）はフロリダとアリゾナのキャンプ中止。開幕を２週間遅らせる。ワシントンＤＣ全米桜祭り、ホワイトハウス・ツアーも中止。
学校も一斉休校２か月間自宅学習
米疾病管理予防センター（ＣＤＣ）は15日、新型コロナウイルス 感染拡大を受け、50人以上のイベントについて今後８週間、自粛するよう勧告を出した。
ニューヨーク市の約１８００の公立学校は16日から一斉休校に入った。４月20日までとしている。影響を受ける児童生徒の総数は約１１０万人、教職員は７万５千人にのぼる。
デブラシオ市長は15日、３月23日までにネットを使った「遠隔学習」に移行すると発表。インターネットに接続できるデバイスを持っていない児童生徒には配布する。教師にはこのための研修が行われる。医療関係、高齢者ケア、公共機関など市の重要な仕事に就いている人の子供のために市内の数十校を開き「学習センター」として使用する。また食事プログラム受けている児童生徒のために校舎の一部は開く。
ニューヨーク州ウエストチェスターとロングアイランドのすべての公立学校も、16日から休校となった。ニュージャージー州とコネチカット州も公立学校が休校に入った。コネチカット州はハートフォード、スタンフォード、ニューヘブンなどの都市部ではすでに休校措置になっていたが全州で２週間、休校する。
ニューヨークのデブラシオ市長とクオモＮＹ知事は、市が医療や介護関係労働者や貧困家庭を数多く抱えることから学校閉鎖については慎重な態度を取っていたが、保護者、教育者などから閉鎖すべきとの声が高まっていた。心配した保護者が子供を学校を休ませるようになり出席率が急落、教師による請願運動も起きていた。 過去、ニューヨーク市では２００９年に新型インフルエンザで一部の公立学校が休校した。２０１３年のハリケーン・サンディの際は１週間一斉休校し、被害の大きかったところは１週間以上休校となったが、今回の規模と期間は過去に例を見ない。
日系団体も休館
日本クラブ、ＪＡＡ、ＪＡＳＳＩ
新型肺炎コロナウイルス の感染拡大に伴い、ニューヨークの日系コミュニティー団体の活動にも影響が出ている。
日本クラブは18日（水）から全館臨時休館となった。これにより、フードのテイクアウト、デリバリーサービスも当面の間、休止となった。イベントは、メトロポリタンオペラ鑑賞会＆勉強会、テニス大会、お茶会、一部の展覧会などがキャンセル・延期となった。
ニューヨーク日系人会（ＪＡＡ）は、19日（木）から31日（月）まで臨時休館となった。４月４日に予定のフリーマーケットは中止。また４月18日に予定していた桜祭りを中止。春の桜ヘルスフェアも中止となった。敬老会も中止。５月７日から予定していたニューヨークで活躍する日本人・日系人の美術展は、6月もしくは10月に延期する。各個別相談は、事務所の電話２１２・８４０・６８９９が繋がるように調整した。
ＪＡＳＳＩは16日から４月３日（金）まで事務所を閉鎖する。スタッフは在宅勤務となる。ホットライン２１２・４４２・１５４１は、月曜から金曜の午前10時から午後５時まで。
レストラン店内営業を禁止
テイクアウトと配送のみ
ビル・デブラシオＮＹ市長は15日、新型コロナウィルスの感染予防対策の一環として、17日午前9時から、同市内のすべてのバーやナイトクラブ、映画館、劇場、コンサートホールは営業を停止し、レストランやカフェ、バーなどの飲食店を対象に関しては店内飲食を禁じ、テイクアウトおよび出前デリバリーのみを許可することを発表した。
同市長は、同市議会が公表した声明文で、思い切った決断だが「市民の生活が、数週間前には想像もできなかった状況に変化している」と伝えている。
このような状況の中で多くの施設が閉鎖となっている。主なイベントや施設は次の通り。
ユニオンスクエア・ホスピタリティー・グループのレストラン22店全店を一時休業。映画館はブルックリン・アート・ミュージアム（ＢＡＭ），リンカーン・センター、メトロポリタン美術館、ＮＹ近代美術館（ＭｏＭＡ）、ニューミュージアム、ノイエ・ギャラリー、ローニン・ギャラリー。イッポドーＮＹギャラリー、トライベッカ映画祭、チェルシーピア、ＮＹ歴史博物館、米自然科学博物館、クイーンズ・ナイト・マーケット、モルガンライブラリー、92nd Y、ＮＹボタニカルガーデン、ニューヨーク公立図書館、マジソン・スクエア・ガーデン、グッゲンハイム美術館、ホイットニー美術館、全ブロードウエー劇場、ＭＬＢ開幕戦（５月26日））、カーネギーホール、ニューヨーク自動車ショーなど。
