一穂堂NYギャラリーで披露
持ち運び便利な組み立て式「茶室」「ZEN-An禅庵」のワークショップが21日夕、ニューヨークのアッパー・イーストサイドにある一穂堂NYギャラリー(東67丁目32番地3階)で開催された。
茶室「禅庵」は椿建築デザイン研究所の椿邦司氏により設計されたもので、「禅の精神は不動のままに、どこにでも移動できる庵」という意味のもと2017年に誕生した。
椿さんは、スーツケースの中に詰まった柱、畳、簾、和紙と伝統的な匠の技の組立茶室を持って、世界中を旅しながら「茶」の歴史や文化を越えた「心」を伝えている。線香が1本燃え尽きるまでの短い時間に組み立てていく。「伝統は常に新しいことを発明し、革新を起こさないと続かない」と椿さんは来場者に説明した。
昨年は、国連本部で開かれた国連日本政府代表部主催の平和イベント「Peace is ... 」でも茶室の組み立てを披露して各国大使や一般来場者を驚かせた。この日は、石兼公博国連大使も招かれた=写真=。
ブルックリンのインテリアデザイナーで禅を学んでいるというポリー・ホーンさんは「椿さんは現代社会において伝統をいかに生き生きと分かち合えるかを示してくれた。ポータブルな茶室と複雑さを排したお点前も多くの人々を茶の世界へと誘うだろう。禅庵は、高度な日本の工芸技術の結晶と言え、新しい発見と革新を伝統の中にどう活かしていけば良いかという私たち上手に示してくれた。今日はとても楽しかった」と感想を述べていた。