語り部の三浦七海さん 「生涯思い伝えたい」
第8回「トゥギャザー・フォー・3・11東日本大震災追悼式典」が3月10日夕、アッパー・ウエストサイドにある教会ファーストチャーチ・オブ・クライスト・サイエンティストで開催され、約400人が参列した。
追悼式典では、ニューヨーク日本総領事の山野内勘二大使、村井嘉浩宮城県知事(ビデオ出演)、岩手県釜石リージョナルコーディネーター協議会(釜援隊)の手塚さや香さん(ビデオ出演)、宮城県名取市ユリアゲ語り部の三浦七海さん、福島県相馬市みなと保育園の園児(ビデオ出演)などの挨拶のほか、風の環少年少女合唱団が歌を披露した。司会はトゥギャザー・フォー・3・11代表のAK・アケミカキハラさん。
宮城県名取市の閖上地区で小学生の時に被災し、15歳から語り部として活動しているカナダに留学中の三浦七海さん(19)が、体験を伝えるため登壇した。三浦さんは別の地区に避難した際、同級生に「地元に帰れ」とか「なぜおまえだけ生き延びているんだ」と言われ、いじめにあった体験を話した。「震災について自分の経験を語るボランティアに参加するなかで、困難に向き合えるようになった」と話したうえで、「いじめの体験も含めて、震災の教訓を語り継いでいきたい」と述べ、会場からは大きな拍手が送られた。
主催者代表のAKさんは「8年が経ち、復興がなされたところも確かにあるが、いまなお悲しみを胸に抱えて生きている大勢の方々いることをニューヨークから忘れていないという思いと祈りを伝えていきたい」と話した。