もっと光を! 春待ち遠し

 ドイツを代表する文豪ゲーテは、死の30分前にもっと光が入り込むように窓のよろい戸を開けるように命じたという。

 グランドセントラル駅のホール上部の窓の格子からも、光が差し込む瞬間が年に何度かある。太陽が低い冬の季節、長い影をホールに映す。だが春の足音はまだ遠い。

 インフレ、戦争、移民規制と世相を取り巻く環境は厳しい。トランプ大統領の矢継ぎ早の終戦外交が吉と出るか凶と出るかは定かではないが、暗闇にかすかな光が差し込んでいるとしたら「もっと光を!」と叫びたいのはゲーテだけではなかろう。(2月15日グランド・セントラル駅で、写真・三浦良一)