治安悪化のNY、警察官の殉死続く

 ニューヨークの五番街がブルーの警察官の制服で埋まった。1月22日、ハーレムで家庭内暴力の通報を受けて駆けつけ撃たれて死亡したジェイソン・リベラ巡査(22)の葬儀が28日セントパトリック寺院で厳かに行われた。ニューヨーク市では銃が使われた痛ましい犯罪が立て続けに起きている。警察官に対しても、今年に入り6人の警察官が死傷した。ニューヨークは、マフィアが隆盛を誇った1970年代の「フィアーシティ(恐怖の街)」のような無法と絶望の状態に戻りつつあるのではと懸念する声すら出始めている。NY市警(NYPD)のデータによると、2021年の同時期に比べ、今年に入ってから市内での発砲事件が16%増加している。

(写真)葬儀で五番街に整列する警察官(1月28日昼、写真・三浦良一)