NY日系人会事務局長
令和3年度外務大臣表彰受賞者である野田美知代ニューヨーク日系人会事務局長への表彰状の伝達式が1月27日夕、ニューヨーク総領事、山野内勘二大使公邸で行われた。外務大臣表彰は諸外国との友好親善関係の増進に多大な貢献をするなかで、特に顕著な功績のあった個人及び団体の功績を称え、活動に対する一層の理解と支持を目的としている。(写真=山野内大使(右)から外務大臣表彰の表彰状を受け取る野田さん)
野田氏は34年にわたりニューヨーク日系人会事務局に勤務し、歴代会長を支え、事務局長として同会の多様な活動を展開するために尽力した。在留邦人・日系人の声に熱心に耳を傾けて各種行事や支援活動に反映させ、ニューヨーク近郊における在留邦人、日系人の福祉向上、教育・文化活動の促進に尽力し、日米友好親善に貢献した。とりわけ、2005年の高齢者問題協議会設置やコロナ禍での高齢者・フロントワーカーへの日本食弁当配達の実施に中心的役割を果たした。
野田さんは「JAAはボランティアの存在で成り立っている団体で、34年間働けたのもその支えがあったからです」と開口一番感謝の言葉を述べ、JAAの2つの役割について話した。「1987年に44丁目の6階で勤め始めた時に初めて目にしたのが8つほど棚に並んだ箱だった。それは身寄りのない無縁仏で、メモリアルデー前の納骨を待っているとのことだった。生活に困って訪ねてきた人をさっと食事に連れて行ったり衣服を提供したりするボランティアの姿を見て、地味な活動だがこれがコミュニティーに寄り添うことかと思った。もう一つは100年も続く団体なので多くの資料が残っており、1927年に編纂された『日本人発展史』を読んでNY日系人会を創設した高見豊彦医師の当時の苦労を知り、大切な歴史があるということを知った」という。
34年の間には、初の女性会長のスーザン大沼さんの誕生でソフトタッチの女性らしいさまざまな企画を力強く推進したこと、JAA理事のスキ・ポーツさんの活躍でアジア系コミュニティーの一員としての日系社会の存在を高めたこと、森脇元会長に頼んで始まった相談室の開設や高齢者への無料ヘアカットなどプロフェッショナルたちの協力があったことを振り返った。
また、式典後には、サプライズで、帰国が決まった山野内大使に対してNY日系人会から感謝の盾が贈られ、佐藤貢司会長から手渡された=写真下=。
最後はジャズミュージシャンでJAA事務局スタッフでもある三上クニさんがNYの地名にちなんだジャズのメドレーをピアノで弾いて会場の招待客たちを楽しませた。