旭日双光章を胸に感謝の言葉
大使公邸で祝賀会盛大に
昨年秋の叙勲で旭日双光章を受章したTICアケアン代表取締役社長、八木秀次(八木秀峰ボン)さんの祝賀レセプションが7日夕、ニューヨーク総領事の山野内勘二大使の主催により大使公邸で盛大に行なわれた。八木さんは、ニューヨークにおける日本食レストラン経営の先駆者としての功績、日本食分野での社会貢献に係る功績、日系人社会及び地元コミュニティへの貢献に係る功績が認められて叙勲した。当日はスーザン大沼、ゲイリー森脇新旧日系人会会長はじめ、櫻井本篤前ジャパン・ソサエティー理事長ら招待客が大勢詰めかけ八木さんの叙勲を祝福した。
来米した日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)の加藤一隆アドバイザーが来賓を代表して祝辞を述べ「ニューヨークをはじめとする米国各地における日本食、日本酒ブームの発展の最大の功労者」と称えた。八木さんは、昨年12月に東京の外務省本省で叙勲伝達を受けている。
1976年に日本食レストランへの野菜の卸売業をスタートした後、常に時代を先取りし、それぞれがブームとなる前から寿司や日本酒、蕎麦、しゃぶしゃぶといった各種専門店の形態での日本食レストランを次々に開業(平成30年末時点で16店舗)、先駆となってNYの新たな日本食市場を牽引、その拡大に顕著に貢献した。平成29年には第11回日本食海外普及功労者表彰(農林水産大臣賞)を受賞している。
また五絆ソサイエティの理事を、同団体の設立時から務め、日米料理界の架け橋となる諸活動を行うことにより、食文化交流を通じた日米間の理解を醸成し、ビジネスを超えて日本食・食文化の米国における普及等に顕著に貢献してきた。JRO(特定非営利活動法人日本食レストラン海外普及推進機構)NY支部の設立当初(平成20年)から同支部において牽引役となり、現在は,同支部の世話人(支部長は空席)という立場で各種事業の企画・実施等を取りまとめているほか、各日本食レストランが抱える共通の課題を解決するための日本食レストラン組合の設立に向けても中心的な役割を担っている。平成10年から毎年11月に日米ソーシャルサービス(JASSI)と協力し、同人の経営するレストランを貸切りにして「敬老しゃぶしゃぶランチ」を無料で開催し、日系社会の高齢者からも厚く感謝されている。
さらに1990年から同社の所在するマンハッタン・イーストビレッジ地区にて日本祭りを企画・運営し、10年間継続するなど、治安が良いとは言えなかった同地区をジャパンタウンとして盛り上げ、賑わいを創出している。また、同地区警察署が主催するクリスマスチャリティーに20年以上継続して寄付を行うなど、地元住民との親交も深く、若き経営者の模範としてNYのレストラン業界では「イーストビレッジの日本食大使」とも呼ばれている。
八木さんは「50年夢の地平に向かって歩んでこれたのもニューヨークの皆様の支えと家族の応援があったからこそ今日の私があります。本当にありがとうございました」と叙勲の喜びを語った。