帝国ホテルに160人参列
東京の帝国ホテルで7日、レストラン日本OB会主催による「倉岡夫妻を偲ぶ会」が開催され、生前の倉岡伸欣(のぶよし)さん、妻の璄子さんの写真と花壇が飾られた富士の間には、同レストランに通った160人余りが集まった。
参列者を代表して御手洗冨士夫経団連名誉会長(現キヤノン会長)、女優の草笛光子さん、畔柳信雄日本テニス協会会長(三菱UFJ銀行相談役)がスピーチした。レストラン日本を代表して、古屋昭代社長の代理で同レストラン副社長の馬越恭弘さんが「こうして倉岡夫妻が残してくれた皆様とのご縁を大切に、倉岡のモットーの本物、良質、リーズナブルプライスを固く守り、ニューヨークでニューヨークらしい、ユニークな江戸前料理をこれからも継承して参ります」と挨拶した。
元男子プロテニス選手の松岡修造さん、作家の山本一力さん夫妻、キッコーマン茂木友三郎名誉会長、国際ジャーナリストの内田忠男さん、ニュースキャスターの草野仁さん、作曲家の弦哲也さん、元女子プロテニス選手の杉山愛さん夫妻、渡辺プロダクションの渡辺みき社長、三毛兼承三菱UFJ銀行頭取、長門正貢日本郵政社長らそうそうたる顔ぶれが集まり、同レストランに長年勤め帰国した元料理長・柴田春夫さんやそば日本店長だった松永善治さんらOBが、来場者と共に倉岡夫妻を偲んだ。
倉岡さんは1963年にニューヨークで初めて本格的な総檜造りのすしバーを備えたレストラン日本を創業、75年には昭和天皇・皇后両陛下ニューヨークご訪問に際して公邸での公式晩餐会の料理を受け持った。歴代首相が来店する店としても知られ、54年間一代でレストラン日本の看板を掲げた。昨年1月に心不全で死去した。長年連れ添った妻の璄子さんも一昨年10月に亡くなっている。日本食の海外普及に貢献したとして2006年に第1回日本食海外普及功労者表彰、2009年に叙勲し、旭日小綬章を受けている。