核兵器禁止条約発効

日米市民が国連に感謝状

 核兵器の開発、保有、使用などを全面的に禁止する核兵器禁止条約が22日発効した。全米各地での祝賀イベントの一環として18日から4日間、ニューヨーク市在住の有志約30人が同条約の署名・批准を行った51の国と地域の国連代表部へ挨拶に出向いた。40余の賛同団体を代表して有志らは4チームに分かれ、黄色いバラと感謝状などを届け、各国の大使ら代表部の歓迎を受けた。

 同条約の批准には、広島・長崎の被爆者や市民団体の地道な活動が大きく貢献したとされ、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は17年ノーベル平和賞を受賞した。ピースアクション基金NYSのサリー・ジョーンズ会長は「『署名・批准するな』という核兵器保有国による大きな圧力にもかかわらず、同条約を批准した51の国と地域の勇気ある行動に深く感謝する。米国の備蓄を含むすべての核兵器は国際社会から非合法と宣言されている」とする。また、核のない世界のためのマンハッタンプロジェクト共同設立メンバーで弁護士の井上まりさんは「核兵器保有国の『核の傘』依存国に対しても、このような依存は国際法の上で違法行為に共謀する可能性があることを突きつけなければならない」とし、まだ署名や批准をしていない日本を含む各国への呼びかけを続けていくと話している。

(小味かおる、写真は井上さん提供)