JRO調理技能検定講習会で
衛生局の規制緩和交渉に一致団結して取り組む
日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)は、1月29日午後、イーストビレッジの茶蔵で日本料理の調理技能認定制度に関する講習会を開催した。
JROは海外における日本産農林水産物・食品の積極的な活用を図るため、その担い手となる日本料理の知識と調理技術を習得した外国人日本料理人の調理技能認定制度の普及と啓発に努めている。
当日はJROニューヨーク支部世話人・八木秀峰氏(TICグループ代表)が挨拶し、講習と実演・試食、市衛生局から見た日本食レストランへの留意点と質疑応答、衛生管理についての意見交換などが行われた。
ニューヨーク日本総領事館経済部の溝呂木佑典領事が概況を説明した。現在北米には2万5300軒の日本食レストランがありその数はマクドナルドとバーガーキングを足した数に等しいという。経営者の7割から8割が韓国系と中国系という実情も報告された。
続いてJROの田村清敏常務理事が「海外における調理技能認定者は約600人いるがまだアメリカではいない。日本食レストランで日本人が料理長を務める店の2番手、3番手の外国人の料理人の人たちに講習を受けてもらい安全で質の高い日本食を提供してもらいたい」と述べた。
講習会では、来場者のほとんどが日系食品関係、レストランの日本人シェフだったが、酒蔵の梶原勝料理長が昆布と鰹節の出し汁の取り方、胡麻あえの作り方、調理器具の扱い方や洗浄について実演解説した。
全農アメリカ株式会社の河野隆太執行役員、静岡県焼津の新丸正の柴田一範常務、東京立川の魚力の吉田庸平係長がそれぞれ日本の食材を説明した。
講習会の後半はニューヨーク市衛生局から担当者を招き、レストランのインスペションについて説明した。会場からはインスペクターの検査基準がばらばらで対応に苦慮している、すし桶は食器洗い機に入らないのでどうしたらいいのか、といった質問や、カリフォルニア州ではすでにすし店でのゴム手袋着用が廃止されている。ニューヨークでもなんとかならないかという声が相次いだ。これに対し衛生局担当者からは「個別に役所にかけあっても相手にされないので、団体で科学的根拠を示して市長室に陳情した方が効果的」とのアドバイスがあった。
八木世話人をまとめ役としてニューヨーク日本食レストラン協会もしくは組合のようなものを作ってどうかという提案が会場で出され、参加者たちからも概ね賛同の拍手があった。