バレエダンサー
髙山 まりさん
3歳からバレエを習い始めた髙山さん。米国、ロシア、英国などへ数多くのバレエ短期留学をしてきた経験がある。昨年春、洗足学園音楽大学バレエコースを卒業後、米国でプロのバレリーナになるために同年春にバレエ留学で来米した。今年5月までニュージャージー州にあるアメリカン・レパートリー・バレエ団の研修生だった。プロになるために数多くのオーディションを受け、いくつかのバレエ団からのオファーの中からニューヨーク州のロングアイランドにあるエグレヴスキー・バレエ団に入団を決めた。プロ一年目でカンパニー唯一の日本人バレエダンサーとして期待されている。
小さい頃はプロのバレリーナになることを夢見ていたが、身長が小さいことやプロになる厳しさを感じ、小学4年生の頃までの夢であったプロになることを諦め、バレエの先生をいつしか目指していた。しかし、同年代の子達の活躍する姿を見て、羨ましいと思うのと同時に悔しい気持ちもあった。そんな中、3年前の大学3年生の時に左足の靭帯をきる怪我をしたのがきっかけでニューヨークに短期バレエ留学をした。その際、同じレッスンを受けている生徒仲間から「あなたは素敵なバレエダンサーになれるよ」と言ってもらえたことが、人生の転期を決定的なものにした。「私でもプロを目指してもいいんだ」と思うことができ、諦めていたプロのバレリーナになることをもう一度目指すきっかけとなった一言だった。二十歳をすぎてプロを目指すには少し遅いスタートとなったが、その後日本で開催されたオーディションに参加し、約100人近くの参加者の中から合格者4人中の1人に選ばれたりと、オーディションや留学を経て少しずつ自信をつけていった。そしてアメリカン・レパートリー・バレエ団の研修生の時に、くるみ割り人形で主人公のクララ役やメインキャラクターの花のワルツのソリストDew Dropを踊ることになり、少しずつ力をつけていった。
遠いところのオーディション会場へ行くのに乗るバスを間違えてとんでもないところに行ってしまったり毎日が失敗の連続だったがそれでも諦めずに頑張った。今年12月に行われるバレエ作品、 米国では師走の定番、「くるみ割り人形」で主役の金平糖の精やメインキャラクターの花のワルツのソリストDew Dropに抜擢されている。
幼少の頃から自分の夢を追うことを応援し続けてくれた母親には最大の感謝の気持ちを持っているが、目下自分の中での目標は、自立できた時には、自分がバレリーナとしての道に進むことをまだ認めてくれていない父親に、晴れの姿を見せて認めてもらえることだという。小柄な体に秘めた可能性というパワーで、いつか実現するだろう。
(三浦良一記者、写真も)
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「くるみ割り人形」に出演=17日(土)午後1時と6時、18日(日)午後2時には、ロングアイランドのタイルス・センター・コンサートホール(Tilles Center Concert Hall, 720 Northern Blvd, Brookville)鑑賞チケットは一般60ドルから。詳細はwww.ticketmaster.com