ダンサー
下田めぐみさん
下田めぐみさん(27)は、現在ニューヨークでダンサーとして活動している。昨年の9月からステップス・オン・ブロードウェイというダンススクールのスカラシップを受けて来米、クラスやワークショップを受けながらオーディションにも挑戦する毎日が続いている。映画に基づいた舞台ミュージカル「フェイム」の出演が決まり、今年5月にワシントンDCで初舞台を踏んだ。また10月にはミズーリ州セントルイスで、ミス・ゲイ・アメリカ2020のダンスパフォーマンスやジャズコレオグラフィーエンタープライズのダンスキャプテン兼振付け助手も務めた。米国、とりわけニューヨークはミュージカルの最高峰の町だけに、自分の時間の許す限りこの町の命とも言える「ショービジネスの現場」で経験を積んでいくことが当面の目標だ。
日本では、NHK紅白歌合戦の振付け助手として出演者への振付け指導を行うなど、もともとは日本でダンス指導の仕事をしていた。自分のダンサー、指導者としての将来の設計図を作るために、もう一度ダンサーとしての原点に立ち返って、自分を見つめ直してみると思い立ったのが、ニューヨークとの接点となった。
広島生まれで4歳の時に親の転勤で東京へ。小さい頃からピアノ、絵、水泳などのお稽古事をしたが唯一続いたのがダンスだった。関東国際高等学校の演劇科に進んだあと立教女子短期大学へ。学生時代は通学しながらフリーでダンスの舞台に出演、主にダンス公演はSKDのOGが創設したSTASや太田花子主宰のHANAMARUに5年間出演した。
23歳の頃、自分自身の将来に少し壁が出来たような気がした時、1週間恩師と先輩たちとニューヨークに旅行した。昼はダンスレッスン、夜は観劇。たった1週間ですっかりニューヨークの魅力にとりつかれてしまった。帰国してからもニューヨークへの想いは募り、いつか長期でニューヨークに滞在し、本場の世界を見たいとの想いを温めていた。そんな時に、ステップス・オン・ブロードウェイのスカラシップの募集があることを知り、迷わずに応募、合格して1年の予定で留学の思いが叶った。
パフォーマーとしての自分を見つめることで、逆に指導者としての自分の日本でのキャリアのあり方が良く見えるようになったとも言う。ダンサーとしての気持ち、思い、心をしっかりと胸に「もう少しここで頑張れ」と今自分に言い聞かせている。(三浦良一記者、写真も)