米国メジャー舞台で踊り続ける

ダンサー 立岡 香凜さん

 ダンサー立岡香凜が、ニューヨークからロサンゼルスに活動の場を移してまもなく2年。4月にはフェイスブックのメッセンジャールームアプリのナショナルテレビCMに出演したり、アリアナ・グランデ・ツーチェインズのルール・ザ・ワールドのミュージックビデオに出演したり、先月は化粧品ブランドのMorphe (モーフィー)とNikita DragunのブランドDragun Beautyがコラボレーションした新しい化粧品のプロモーションビデオに出演したりと、コロナ禍の中にあって多忙の活躍ぶりを見せている。

 今は、実際の劇場などでのパフォーマンスは一切なくなってしまったが、もともとミュージック・ビデオなどでの映像の世界での舞台が多かったので、エンタメの仕事をしている中ではかなり恵まれている方だと自分でも思う。

 滋賀県湖南市出身。19歳から大阪に出て聖母女学院短大を中退して入った大阪心斎橋のダンス学校、エイベックスに朝晩アルバイトをしながら2年間通って覚えたダンスは、このアメリカの地でいま大きな花を咲かせている。

 身長157センチ、体重48キログラムの小柄な体を炸裂させるダイナミックな踊り。8年前に来米し、1年間ロサンゼルスのダンス学校で修行した後、ニューヨークのタレントエージェンシーに所属しながら、これまでにミュージック・ビデオは25本、テレビ出演7回、ライブパフォーマンス25回以上におよび、50セント、トレイ・ソングス、アリシア・マイヤース、リトル・モーのバックダンサーとして米国の有名なテレビ番組「パワースターズ」の初演ショーでマジソンスクエアガーデンでパフォーマンスし、2年前の大晦日にはタイムズスクエアのカウントダウンのショーでも踊るという無名ながら堂々の売れっ子ダンサーだ。

 世界の一流パフォーマーやダンサーが集まるニューヨークだが、仕事の多さは圧倒的に西海岸の方が上回っているという。ニューヨークでは、5年もいるとオーディションに行ってもどこの誰かと顔が分かるようになり、ファミリー感とでも言える安心感があるそうだが、ロサンゼルスでは一度のオーディションにダンサーが700人も集まることがあるため、どこの誰かはもう関係なく、毎回、本当にゼロからのスタートになる。素の自分が100%出てしまう中での競争だ。

 「アメリカのダンス編成は、現実的な結果として人種別の割り当てがあり、アジア人の中での競争にならざるを得ない所はあるが、今は周りや人と比べることをせずに、自分らしさをもっと更に出せるように今後も夢を大きく持ってこれからも頑張っていきたい」とさらなる上のステージを目指す。いつかジャネット・ジャクソンのワールドツアーについて行って踊ることが叶えばいいですね」と笑顔を見せた。(三浦良一記者、写真も)