第二の故郷NYで女優に挑戦

元劇団四季の女優

丸山 日鶴さん

 丸山さんは、東京の劇団四季で活躍した後、2020年にニューヨークに戻って来た。戻ってきたというのは、幼稚園から小学校3年生までスカースデールに住んでいた帰国子女の帰米女優だからだ。その子供の時に見たブロードウエー・ミュージカル「Cats」、「Beauty and the Beast 」に感銘を受け、ミュージカルの世界に興味を持った。帰国後、尚美ミュージックカレッジ・ミュージカル学科、東宝ミュージカルアカデミーでミュージカルを学び、劇団四季の研究生へ入所を果たす。今までに紅白歌合戦のバックダンサーや、日本初演となる劇団四季「ノートルダムの鐘」への出演経験がある。このほかにも劇団四季の有志達とセルフプロデュース公演、高校や幼稚園、障害者支援施設、スターバックスなどさまざまな場所でコンサートやライブを行ってきた。 

 来米後は、短編ミュージカル映画「オポジット・ゲーム」やNY日系人会(JAA)でのミニコンサート、ザ・ウエストエンドラウンジでのインターナショナル・タレント・ナイトや今年の5月に行われたジャパン・パレードで「平和祭り~Music for SDGs~」として参加するなどして活動している。

 劇団四季の作品に出演していた時は週7回公演、座席数約1000席という大きなキャパシティの劇場で舞台に立っていた。客席と舞台空間がしっかり分けられてるというのもあり、公演中に観客からのリアクションを実感することは少なかったが、施設や学校でコンサートをした時は、観客の喜んでいる顔や雰囲気がその時その瞬間にこちらにすぐ伝わる。「言葉ではないコミュニケーションを取りながらパフォーマンスができるというのは、新鮮で楽しかった」。逆に大きい舞台の良さはカーテンコールの時に約1000人の観客の拍手や声かけから大きなエネルギーが返って来て、舞台に立つやりがいを感じられた」と学校や施設を回って活動するのとビジネス商業舞台との違いや喜びについて語る。

 ニューヨークの魅力。「舞台に関して言えば、誰にでもチャンスがある。そしてその機会を得れる場所や機会が沢山ある。劇場は至る所にありますし、オーディションも沢山開催されてる。小さい劇場だとしてもレベルが低いわけではない。個人的にはこれほど多くの機会は日本ではなかったと思う。また俳優など関係なく、個々の人達のエネルギーやパワー、オープンマインドなところも日々生活していて、とても刺激を受けますね」という。

 9月22日(木)にJAAの敬老会が日本クラブで開催される。天井からの水漏れ被害で使えなくなった日系人会ホールの代替会場として日本クラブが協力して実現したものだ。その会場でミニコンサートを行う。当日は「私の日本での舞台経験や、NYに来てからの活動などお話させて頂き、ミュージカルや唱歌等色んなジャンルの歌を歌わせて頂きます。楽しみにしていてください」と話している。東京都出身。(三浦良一記者、写真は本人提供)