前回に続きLAサンタモニカビーチで日光浴中の女性3人組へファッションインタビュー。「今日着ている服は?」の問いに「SHEINの水着よ。安くて可愛いから大人気なのよ」。SHEINは中国から直送のネット販売方式で、高いデザイン性とODMによる圧倒的な価格競争力からZ世代女性に大人気。NY街角ではあまり耳にしないが、LAインタビューでは頻繁に名前が挙がる。SHEIN公表レポート上の国別販売率は米国がトップで全体の43%を占める。パンデミック中のウェブサイト閲覧件数はH&MやZARAを超えたというGoogleデータもあり、米国アパレル業界で注目され始めている急成長ブランドである。「いつもショッピングするお店は?」の問いには3人とも「ターゲット!Wild Fableラインのクロップトップとか最高よ!」。量販店の多くがインポーターと呼ばれる業者にデザインまで委託するのに比べ、ターゲットはミネアポリス本社に数百人のデザイナーを抱え、大半のラインは開発から自社対応している。オンライン販売の台頭で実店舗型量販店が苦戦する中、最近マンハッタン・タイムズスクエア近く(42丁目のマダムタッソー蝋人形館の向かい)に新店舗を出店する勢いだ。その他はもちろん、古着購入。「90年代のリーバイスとかディッキーズを狙ってるわ。異なる時代の物なのに、今のトレンドに乗ってる服と出会うと興奮しちゃうわ。宝探ししてるみたいよ」。ファストファッション、量販店、古着と着こなす器用なZ世代とのファッション談議は面白い。
(Wear 2Nextチーム/アパレル業界関係者によるファッション研究チーム)