音楽監督
アルマンツァー明子さん
7歳の頃に母親に連れられて見た「レ・ミゼラブル」に感動し、少女時代からミュージカル俳優を目指した。東京都出身で、母親はピアニスト、父親はベーシストという音楽一家に生まれた。自身も幼少からビアノを習ったが、ミュージカル俳優になるためには「音大声楽科卒」というタイトルが必要という一点でピアノではなく昭和音楽大学短期大学部声楽科へ進学。同大卒業と同時に劇団四季に入団。1年半の研修生生活を経て退団後、来米してアーティストビザを取得後はトニー賞受賞作品「コンタクト」「42nd Street」「ミス・サイゴン」などに出演した。
現在はニューヨークを拠点にミュージカルコンサートの企画や制作を行っている。 今月26日には東京で、今回で3年目の3度目となるミュージカル・コンサート「Show Tunes」公演を行う。このコンサートはブロードウエーで活躍しているミュージカル俳優を日本に連れて行き、日本でも活躍しているミュージカル俳優と共演するコラボコンサート。今年は、この日本コンサートのためにニューヨークで行ったオーディションで200人の応募者の中から選んだ俳優ケイト・マクマヌスを日本に招く。彼女は、トニー賞受賞作品「Once on this Island」や「Into the woods 」に出演している実力派。このほかニューヨークからはアポロシアターのアマチュア・ナイトに出場した日本人男優、田中怜緒直が訪日出演する。
今後はニューヨークでも同じ規模のコンサートが出来るようにしたいというのが将来の夢だ。
日本では、コンサート公演のほか、日本の若手俳優のためのワークショップや講演活動も積極的に行っており、公立中学校等でゲスト講師として活動している。講師は毎年変更し、今年の講師はミュージカルはもちろん、毎年即日完売するほどの人気コンサート、ディズニー・オン・クラシックに出演したメーガン・ケネディが務める予定だ。
今回受講生募集の案内を告知したところ、たった数時間で定員に達し、現在キャンセル待ちとなるほどの人気。ワークショップを受けに来る生徒の中には、新幹線で数時間もかけて東京まで出てきて受講する人が毎年数人いるそうだ。「そういう上手になりたいという情熱を持った生徒たちのためにも、東京だけでなく地方でも開催できるようになりたい。現在の日本の若手ミュージカル俳優は、声量、歌唱力、表現力においてまだまだ開拓していける余地があると感じている。だからこそ、これからミュージカル俳優を目指していく日本の新人に向けてブロードウェーではどんな人が活躍しているかの生の声を聞いてもらい、これからの日本のミュージカル界の底上げに貢献できれば本望」と話す。 (三浦良一記者、写真も)