サバイバルな街NYに生きる

 ダンサー 大野 葵さん

 ニューヨークでダンサーとして米国のジョン・レーラー・ダンスカンパニー、に所属して公演活動を続けている大野葵さん(28)は、生まれ育った神奈川県伊勢原市で3歳からクラシックバレエを始めた。16歳から執行(しぎょう)バレエスクールで執行伸宜氏に師事。ダンス専門学校卒業後、芸能事務所に所属。2012年ドラマ「ビューティフルレイン」にバレエ講師役として出演、ミュージカル「真夏の夜の夢」では、リードダンサーとして、また郡司企画プロデュース「東京レビュー2」にゲストダンサーとして立て続けに出演した。

 しかし自分の進むべき道は演技ではないと思い、事務所を退所、稲吉優流氏のもとアシスタントをしながらジャズダンスを学び、自主公演などに主要キャストとして参加する毎日が続いた。

 次第に日本では本格的に学ぶ事の難しいモダンダンスを学びたいと思うようになり、2014年渡米、名門アルビン・エイリー・スクールで奨学生として2年学んだ。在学中、選抜生徒としてメンバーと共にニューヨーク・シティーセンターの舞台に立っている。

 昨年春、ニューヨークのダンスカンパニー、ジョン・レーラー・ダンス・カンパニーのオーディションを受け、150人の中から合格者5人の一人に選ばれ入団。メンバーとして年間を通してアメリカ国内からヨーロッパツアーまで参加。また、アーチ・バレエ、ブルックリン・バレエにおいてソリストとして所属。主にニューヨーク市内での公演に参加している。

 現在は、シアターもリハーサルスタジオもクローズせざるを得ない状況なので復活後を見越してオンラインリハーサルなどを行っている毎日。9月にはフロリダ、11月にはドイツツアーを予定している。

 近々の夢としてはジョン・レーラーのメンバーとともにアジアツアー、日本ツアーをすること。また将来的に日本から世界へ飛び立ちたいダンサー達へサポートする事だ。

 「ニューヨークはサバイバルな町。頑張ろうという気持ちがなくなった時、もう私はニューヨークにいる意味がなくなるような気がする」。

 (三浦良一記者、写真・本人提供)