NYの舞台芸術に魅せられた元ヅカガール

俳優・ダンサー

漣(さざなみ レイラさん

 宝塚歌劇団の男役、94期生、漣(さざなみ)レイラの芸名で星組に14年間在籍した。本名吉田奏恵さん。現在、ニューヨークに住み、傑出した外国人芸術家に与えられるOビザを無事に取得し、目下5月5日(日)にジャパン・ソサエティーで開催される子供の日フェスティバルで上演されるミュージカル桃太郎(MOMOTARO: In Search of a Hero)の芝居出演の稽古に専念しているところだ。宝塚歌劇団が110年前に最初に公演した舞台が「どんぶらこ」、桃太郎だったことにも奇遇の縁を感じて出演を引き受けた。演出はCJA芸術監督の河原その子(公演概要18面に)。現在そのリハーサルをしながらオーディションを受け続ける日々だ。

 宝塚で男役でずっとやってきた。ダイナミックなダンスで存在感を放ち、『THE SCARLET PIMPERNEL』でのクーポー役、『ロックオペラ・モーツァルト』でのフリードリン役、『デビュタント』でのバルタザール役など個性的な役もこなす星組の戦力として幅広く活躍。2021年12月『柳生忍法帖』『モアー・ダンディズム!』で宝塚歌劇団を卒業後22年4月にNYへ。改めてエンターテイメントの魅力に心を奪われ、劇場に関わる仕事がしたいと決意したと言う。現在はパフォーマーに向けたPerforming Arts Empowerment Coach として演者をサポートしながら、自らもダンスや歌のレッスンに通い、学びを深め挑戦を重ねている毎日だ。「オーディションは毎回、心地よい緊張感と周りの方々の自信に溢れた姿に刺激を受けながら受けています。まだまだ結果は落ちてばかりですが、着実に前に進んでいる感覚があります」と話す。「ニューヨークに来てパフォーマンスをする方々の心のあり方に触れて気づきを得る機会が多々あり、メンタルトレーニングも舞台に立つスキルのひとつとして取り入れられていることに興味を感じました。第一歩として日本でメンタルトレーナーの資格を取得しましたが、結果にとらわれず自分自身に挑戦し続けることが何より大切なんだって心から思います。ニューヨークには宝塚出身の先輩方もたくさんいて、本当に様々な面で助けていただいています」と宝塚歌劇団が最初の米国公演をしたラジオ・シティーミュージックホールの前で満面の笑顔を見せた。

 (三浦良一記者、写真も)