コロナ時代に負けず踊る

ダンサー 菊池 梨緒さん

 ニューヨークで活動するダンサーの菊池梨緒は2017年の夏に来米し、ニューヨークの名門、アルビン・エイリー・ダンススクールの奨学金プログラムに2年在籍した。卒業後すぐにアジア系舞踊団のナイニー・チェン・ダンスカンパニーに入団し、現在も同カンパニーダンサーとして踊っている。

 最近では、ジャイロキネシスの指導員の資格も取得した。入団は19年夏に100人以上が入団テストを受けた中から合格者2人の一人に選ばれた。所属していて今2年目。カンパニーでは モダンダンス、コンテンポラリーダンスを主にジャンルとして、同カンパニーならではのアジア文化にインスピレーションを受けた作品や、中国舞踊にも今挑戦中だ。

 パンデミック前では、ニューヨーク・アートセンターでの公演や、ニューヨークとニュージャージー州で学校訪問をするなどしてショーも行っていたが、パンデミック後は、オンラインリハーサルが始まり、今はカンパニー全体で感染予防を徹底しながら、少人数でインパーソンのリハーサルをスタジオで行っている。

 コロナの影響で公演やツアーは延期に次ぐ延期で激減したが、オンラインでの公演の機会が逆に増えた。マスクをつけながら踊ったり、定期的にPCRテストを受けに行くなど、感染防止の対策をしっかりしながら、またステージに戻りオンラインの公演の為の撮影など、この状況の中でできる限りの事を現在は活動中だ。この状況にめげずに今できる事を全力でやっていることで、どんな状況でも自分は踊り続けたいんだという気持ちをさらに強く認識したという。

  最終的な夢ははっきり決まっていないが、今はニューヨークでプロダンサーとして、経験を積むことに専念だ。世界中から集まるプロのダンサーたちと一緒に稽古や公演に出ることでテクニックや表現力を吸収し「自分らしさも大切にしながらも輝いてる人になりたい。そしていつかは、私の生の踊りを日本にいる家族に見せて、成長した自分を見せたい」と笑顔を見せた。東京都出身。

 (三浦良一記者、写真は本人提供)