ワクチン15日に到着

医療従事者ら優先

 クオモNY州知事は2日、米政府からワクチンの緊急使用が承認された場合、15日には17万人分のワクチンを受け取ることができると発表した。米国では現在、製薬会社のファイザーとバイオテクノロジー会社のモデルナが米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請しており、2社ともに臨床試験では90%以上の予防効果をあげている。9日現在でファイザーの政府承認は10日の予定。

 クオモ知事は会見で、医療従事者や老人ホームの入居者と職員が接種を受ける第一グループになると述べた。今回の第一便で一般市民に提供される予定はない。

 専門家によると、これまで通りの経済状態に戻るためには人口の75〜85%がワクチンを接種する必要があり、その水準に達するまでは来年6月から9月までかかる可能性があると話している。米食品医薬局(FDA)は近く承認の見通しで、製薬会社の米ファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンは25万回分が15日に届き次第、17万回分をすぐに接種開始する。22日にはモデルナが開発したワクチン21万1人分が届き、今年中に46万5000人に接種できる予定だ。チョクシ博士によれば、供給や配布方法などの課題もあり一般市民に普及するのは2021年の後半になるかもしれないという。

 公聴会ではワクチンに関する世論調査も発表された。それによるとワクチンを接種する意思のある人は53%で、20%が「いいえ」との回答だった。残りは未回答だった。市ではワクチン接種の普及キャンペーンを行う予定だ。 

 クオモ知事はパンデミックの際に多くの感染者が出た黒人・ヒスパニック系住人や低所得者層の居住地域に対して、今後効果的な予防接種計画を実施するために連邦政府に対して資金提供を求めている。連邦政府が州に個人情報の共有を求めているが「不法移民が接種に消極的になるので非公開が前提」として現状での情報共有に反対している。