「あいさつ」

 この連載は、日本語を勉強している人を読者対象としたコーナーです。日本文化やタイムリーな日本に関する話題などを簡単な日本語で毎月第3週号に掲載します。アメリカ人の友人などにご案内ください。


 挨拶(あいさつ)は日本(にほん)では相手(あいて)への礼儀(れいぎ)や敬意(けいい)を表(あらわ)して、お辞儀(じぎ)とともに行(おこな)うのが一般的(いっぱんてき)です。誰(だれ)にでも挨拶(あいさつ)をする習慣(しゅうかん)はなく、知(し)っている人(ひと)へ、またはお客様(きゃくさま)や同(おな)じ組織(そしき)に属(ぞく)する人(ひと)へ声(こえ)をかけます。朝(あさ)の「おはようございます」、昼(ひる)の「こんにちは」、夜(よる)の「こんばんは」、寝(ね)る時(とき)の「おやすみなさい」は、挨拶(あいさつ)の基本(きほん)です。また、初(はじ)めての人(ひと)には、笑顔(えがお)で「はじめまして」と挨拶(あいさつ)をします。(長久保美奈、マナー講師)

急がば回れ(いそがばまわれ)

 人(ひと)は急(いそ)いでいるときほど、つい近道(ちかみち)をしたくなるものです。しかし、知(し)らない道(みち)では思(おも)いがけない災難(さいなん)が待(ま)ち受(う)けているかもしれません。また、焦(あせ)っているので、大切(たいせつ)なものを落(お)としてしまったり、事故(じこ)にあわないともかぎりません。急(いそ)ぐときほど、少(すこ)し遠回(とおまわり)りのように思(おも)えても安全(あんぜん)で確実(かくじつ)な道(みち)を選(えら)ぶことが、結局(けっきょく)はもっとも早(はや)く目的地(もくてきち)に着(つ)くことができるという意味(いみ)です。「人生(じんせい)もそれと同(おな)じだ」という生(い)き方(かた)の教(おし)えにもなっています。2024年(ねん)もあと少(すこい)し。やり残(のこ)したことを始(じゃきお)めるとき「あわてず、慎重(しんちょう)にいこう」と言(い)いたいときにも使(つか)えます。(絵と文・平田恵子)

■おことわり=紙面では漢字にルビ表記しています。


《言葉の意味(ことばのいみ)》

■敬意 respect

■習慣 habit; custom

■笑顔 smile

■近道 shortcut

■災難 disaster

■目的地 destination

■人生 life