NYで20日にライブ
緒方篤さん
日本生まれ、米国育ちで映画監督からコメディアンに転身した緒方篤によるコメディーショー「Sizzling All Stars & One Hot Japanese Guy」が10月20日(日)午後5時(開場は午後4時30分)から、ミッドタウンのブロード・コメディー・クラブ(西53丁目318番地)で開催される。
米国内外のコメディアン仲間を集めたショーで、コメディーセントラルやレイトショーなどでも知られるメキシコ、モルドバ、米国出身のコメディアンが参加。各コメディアンは、いつものネタの他に「日本」に関するジョークも交えて上演する。出演者は緒方の他、ブライアン・スコット・マクファデン、オードリー・モーラ、パット・モナハン、ヴァラリア・ヴルぺ。
緒方のコメディーは「クリーン」で知的、自身の経験を基にした半自伝的なストーリーや観察、社会的コメントを反映したスタイルで知られる。ハーバード大学卒。マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院卒。富士通在籍後、フリーの映像作家、脚本家、監督などコメディアンとして異色の経歴の持ち主だ。世界中、どこに行っても、何をしても、店員、運転手、配達員などに人違いされる「国際版の寅さん」と言われるほど軽いノリが売りだ。当初は自作映画の主人公「浴衣カウボーイ」の衣装を着て、そのキャラクターとして上演していたが「緒方篤」自身としてスタンドアップを継続するようになった。
スタンドアップ・コメディーをはじめたきっかけは、映画祭などで行われた上映後の質疑応答での観客の笑い。以前、東京で外国人向けに英語で上演したり、コロナ禍ではズームで上演していたが、2022年にニューヨークに戻ってからは、ブロードウエー・コメディー・クラブやロドニーズなどで上演。6月にはロサンゼルスの北ハリウッドのコメディー・シャトー・フェスティバルで「ベスト・オブ・フェスト」に入選、8月にもバーバンク・コメディー・フィスティバルに入選している。 これまでに一番難しかったことはと聞くと「映画の場合、脚本を書いてから、それをお客さんの前で試せるまで、とても長い時間がかかるのですが、スタンドアップの場合、早い時は、その日のうちに新しいネタを試すことができるという利点があります。しかし、ネタが受けるかどうかは試行錯誤ですので、挫折しながら何回も試さないといけません。面白く、有意義なネタを起案するだけでなく、それを大勢のお客さんが理解し、笑えるような表現方法や適切なリズムで伝えないと、観客には笑ってもらえません。このため、スタンドアップ特有の上演技術も修得する必要があります。私の場合、演技の経験、および即興劇や質疑応答の経験はあったのですが、「観客と対話する様なフリをしながら、前もって準備したネタを混ぜる」といったスタンドアップ特有の技術を極めるのに努力しています。ネタの起案・執筆と、上演技術に加え、もう一つのハードルは、近年大勢のコメディアンが活動しているので、競争が激しく、コメディークラブなど上演する場や機会を確保するためにも、オーディションなど多大の努力が必要となる事です」とステージとは違った真顔で話した。
(三浦良一記者、写真も)
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入場料は25ドル。(チケット割引コードは「OGATA」)チケット・詳細はウェブサイトhttps://www.broadwaycomedyclub.com/shows/sizzling-all-stars-one-hot-japanese-guy/を参照する。