真夏の日曜日の朝七時頃、セントラルパークを集団で走る人たちがいた。週末はここを、さまざまなマラソン大会に参加する人が、一緒に練習している。資金集めのために走る人もいる。その日の参加者は二、三千人だという。
それをサポートしている団体が「New York Road Runners」だ。
自分たちもランナーであるボランティアの人たちが、ところどころに立ち、拍手しながら声をかける。
Keep those legs moving. Good job.
足を動かし続けて。そうそう。
Nicely done. Nicely done. You got it.
いいよ、いいよ。そんな感じだ。
Way to go. Way to go. You’re almost there.
その調子、その調子。ゴールは目の前だよ。
ひとりじゃ辛くても、みんなで走ればがんばれるでしょ。
ボランティアの女の人が言う。
しばらくそこにたたずんで、励ましの声に耳を傾けていた。
さっきのボランティアの女性が、私に声をかける。
ねぇ、あなたもここに立ってるんなら、一緒に応援してあげてよ。
だから私も、一緒に応援する。
You’re getting there. Great job.
もう少し。最高よ。
Nicely done. Way to go.
いいわよ。その調子。
人生もそうだ。励まし続けてくれる人がいたら、がんばれる。
もし身近にそういう人がいなくても、自分をいつも、励まし続けてやりたい。
Way to go, Mitsy. You’re almost there.
その調子だ、ミッツィ。ゴールは目の前よ。
このエッセイは、シリーズ第9弾『ニューヨークの魔法は終わらない』に収録されています。