映画「EKIDEN」

第45回アジアン・アメリカン国際映画祭

松坂と安住が作る

 第45回アジアン・アメリカン国際映画祭が8月3日から13日までオンラインとアジアソサエティー(パーク街725番地/70丁目)でハイブリッド開催される。日本の作品として、ニューヨーク在住の俳優・松坂龍馬と監督・安住春菜氏のドキュメンタリー短編作品「EKIDEN(駅伝)」が8月6日(土)午後12時30分から同協会のローズ・ルームで上映される。

 内容は、昨年5月9日、約半年かけて集めた人種、性別、年齢、職業など全く異なる6人のランナーが、それぞれの想いを綴った「たすき」を受け渡しながらニューヨーク市内26・2マイルを走った記録。プロジェクトリーダーの松坂龍馬もそのランナーのうちの一人として出演。それぞれのランナー達の日常の1ページを記録した。どんなものを食べ、どんなものに囲まれ日々を送っているのか、そしてその違う人間たちが結束しひとつのゴールを共に目指す、そんなドキュメンタリーだ。

 監督の安住は「駅伝は日本で生まれた競技。ゴールという共通の目標に向かって走る、ランナーの1人でも欠けてしまってはチームの目標は達成できない。日本人アーティストである私たちのアイデンティティを通し、私たちが今世界に伝えたい「UNITE(団結)」というメッセージがより多くの人に届くことを強く願っている。構成はあるが、台本はなく、演技指導やカットの撮り直しもあえてしなかった」と話す。

 松坂は「2020年コロナが世界中を襲い、その後ブラック・ライブズマター(BLM)運動、アジアンヘイト問題がこのNYでも顕著に見られるようになり、私たちは世界がどんどん分断されていっているように感じていた。どうしたら人は違いを越え繋がり合い、共に生きることができるのだろう、今こそUNITEする時なんじゃないか。そう思い、このEKIDENプロジェクトを立ち上げた」と話す。

 上映時間23分。短編5作品(91分)の1作として上映。チケットは16ドル。ウエブサイト https://www.aaiff.org/ticketing から入手可能。

(写真)監督の安住(左)と俳優の松坂(7月27日マンハッタンで、写真・三浦良一)