新型コロナウイルスの新規感染者の9割以上を占めるデルタ株に続き、新たな変異株「ラムダ株(Lambada Variant)」が米国各地で出現し始めている。
ラムダ株は昨年8月にペルーで初めて特定され、チリ、アルゼンチン、エクアドルなど南米を中心に、欧米含めこれまで40カ国以上で確認されている。世界保健機関(WHO)は6月に、「注目すべき変異株(VOI)」に分類した。感染力が高いため「懸念すべき変異株(VOC)」に分類されている「デルタ株」よりは警戒度は低い。しかし、感染力やワクチンの効果への影響などが実際どの程度なのか現時点ではよくわかっていないため今後変更の可能性もある。
米国で最初に確認されたのはテキサス州ヒューストンにあるヒューストン・メソジスト病院で7月19日に発表された。その後、カリフォルニア、テキサス、ルイジアナ州などで確認された。日本では8月7日になって、7月20日に羽田空港から入国したペルー帰りの五輪関係者からラムダ株が検出されたと発表された。
ウイルス関連の一次情報を提供している科学イニシアチブGISAIDによれば8月6日時点で確認されている全世界のラムダ株感染例は4080件。41か国に及び、もっとも感染者の多い国はチリで1435件(7月13日時点)、次が米国の1074件(8月5日時点)、ペルーが1212件(6月15日時点)、エクアドル196件(7月20日時点)、メキシコ178件(7月14日時点)、スペイン115件(7月7日時点)などとなっている。
WHOの分類では、懸念すべき変異株(VOC)として英国由来のアルファ株、南アフリカ由来のベータ株、ブラジル由来のガンマ株、インド由来のデルタ株があり、注目すべき変異株(VOI)として米国由来のイプシロン株、ブラジル由来のゼータ株、複数国由来のイータ株、フィリピン由来のシータ株、米国由来のイオタ株、インド由来のカッパ株、ペルー由来のラムダ株がある。
感染例が多いければ多いほど変異株が生まれる可能性が高くなる。新型コロナの拡散が続けば今後も次々に変異株が生まれるため、感染抑え込みが重要となる。
バイデン政権は、3回目のワクチン追加接種を奨励する方針を明らかにし、早ければ9月中旬にも開始の見通しだ。