プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)
元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (37)
今月の生き生きEATSは、ニューヨーク市のキューガーデンに住む料理研究家、平野顕子さんに、ウクライナ人の義母ニーナさん伝授の「ウクライナの家庭料理」を紹介していただきます。平野さんは、最近、夫のイーゴさんとの共著『キャプション家に伝わる日々のごはん ウクライナの家庭料理』(PARCO出版)=写真=を上梓されたばかり。今回はその中で紹介されているオススメの2品です。(料理、人物写真 by Takako Ida)
■ボルシチ
ビーツを使うウクライナ発祥の深紅色のスープ、ボルシチは、毎日のようにいただく日本のお味噌汁のような存在。コツは、ビーツに火を通しすぎると色が悪くなるので、スープ作りの最後に下茹でしておいたビーツを加え、さっと煮るだけにして美しい色合いに仕上げること。
〈材料〉(作りやすい分量)
ビーツ 大1個
にんにく(薄切り) 2片
玉ねぎ(細切り) 1個
にんじん(細切り) 大1本
じゃがいも 1個
サラダ油 適量
水 800ml
チキンブイヨンの素 1個
ローリエ 3〜4枚
キャベツ(細切り) 1/8個
トマトペースト 85g
塩・黒胡椒 各適量
サワークリーム 適量
お好みでディル、パセリ
(みじん切り) 各適量
〈下準備〉
じゃがいもは短冊切りにし、15分ほど水に浸す。
〈作り方〉
①ビーツは根の先端と茎を切り落とし、柔らかくなるまで500〜600ミリグラムの湯で30分ほどゆでる。ゆで終わったら、弱目の流水にあて、皮をむいて8ミリ幅の細切りにする。②フライバンにサラダ油をひいて弱中火にかけ、にんにくを炒める。香りが立ってきたら中火にし、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもをさっと炒める。
③鍋に水、チキンブイヨンのもと、ローリエ、②を入れて中火にかけ、じゃがいもに火が通るまで煮る。①、キャベツ、トマトペーストを加えてさっと煮て、塩、黒胡椒で味を整える。
■クネードリ(鶏団子のサワークリーム煮)
あっさりとした味付けとサワークリームのコクが好相性。コツは、最後にチーズをからめると風味とコクがさらに豊かに仕上がります。
〈材料〉(作りやすい分量)
鶏ひき肉 300g
玉ねぎ(みじん切り) 1/2個
サラダ油 適量
パセリ(みじん切り) 大さじ2
卵(卵黄と卵白に分ける) 2個
水 400〜500g
チキンブイヨンのもと 1〜2個
マッシュルーム(薄切り) 8個
バター(食塩不使用) 20g
サワークリーム 60g
生クリーム
(脂肪分42〜45%) 60ml
お好みのシュレッドチーズ
大さじ2
〈作り方〉
①フライパンにサラダ油をひいて中火にかけ、玉ねぎを炒め、粗熱をとる。
②鶏肉に①、パセリを入れてよくかき混ぜる。卵黄を加えて混ぜ、5分立て程度泡立てた卵白を加えてさっと混ぜる。
③鍋に水、チキンブイヨンのもとを入れて中火にかけ、沸騰したら②をスプーンなどで楕円形にすくって入れる。3〜4分ゆで、取り出す。
④フライパンにバターを入れて中火にかけ、マッシュルームを茶色になるまで炒める。サワークリーム、③の煮汁150ミリリットルを加える。
⑤ ③の肉だんごを加え、全体に火が通るまで煮る。生クリーム、お好みのシュレッドチーズをからめる。⑥器にスープと共に盛り合わせる。