日本から続々NYへ
「日本にいたら、いつになったら自分の番が回って来るのか分からない」としびれを切らした日本人がニューヨークに新型コロナウイルスのワクチン接種に続々と訪れ始めている。ニューヨークでは観光客でも予約なしで無料で接種できるからだ。
米国は、まだ日本や韓国といった感染率の低い国からの入国しか認めておらず、レベル4に指定されたイギリスを含むヨーロッパ諸国や中国からは米国に入国できない状況だ。したがって、今回のニューヨークの処置は、日本人にとっては優遇された措置と言え、悠々と接種できるのも、中国人やヨーロッパ人がまだ米国に入って来ない今のうちとも言えそうだ。
日本からのNYワクチン観光3泊5日ツアーを企画したのは「あっとニューヨーク」社(本社ニューヨーク)の土橋省吾社長。同社長によると、企画を発表して1週間で、日本からの予約が100件近くも殺到したという。中には一部上場企業の社長が電話1本で予約を決めたり、若手経営者、富裕層からの申し込みが多いという。
日本から訪米してまでNYでワクチン接種するメリットとして同社が挙げるのはまずいつでもワクチンが打てること、旅行者に便利な1回限りのジョンソン・エンド・ジョンソンを打てること、パンデミック価格のホテル代は通常の3分の1と現在非常に安いこと、すべてのワクチン接種の手配は、集合場所から接種会場までの付き添い、通訳まで現地のスタッフが同行することなど。
日本国内では、やっと高齢者のワクチン接種が始まったばかり。しかも予約を取るのは宝くじのような運任せ。政府が目標とする7月末までに高齢者の接種が終了するかどうかも微妙だ。東京、大阪、北海道、岡山、広島、福岡に非常事態宣言が出され、外出自粛で買い物や観光に行く場所もなく家の中に籠りっぱなしを考えたら、3泊5日でさっさとNYでワクチン接種を済ませて帰ってきたいと考える人がいても不思議はない。
NYワクチンツアー
到着当日に接種
スケジュールは、ニューヨークに到着した当日にワクチンを接種し、2日間ホテル待機。3日目に旅行パケージのオプションでNY市内観光ツアー(105ドル)を楽しんで4日目に帰国。あっとニューヨーク社ではワクチン接種会場へのホテルからの送迎・通訳サービスのグランドオペレーションだけを請け負うため、日本からの渡航航空券購入とホテルの予約は日本を発つ前に自分で、もしくはどこかの旅行代理店に頼んでチケットと予約を取らなくてはならない。同社のワクチンのみの混載ツアー(他の接種客とグループ行動)は1人125ドル。2人だと175ドル。日本帰国時のためのPCR検査と証明書のみの混載ツアーは1人75ドル。ワクチン接種と日本帰国のためのPCR検査・証明書セットがついた貸切ツアーは1人220ドル。必要なものはパスポートだけ。接種後はその場でCDCが発行するワクチン接種証明書を発行。1名から申し込める。(グループは最大8人まで)。渡米前にワクチン接種のフォームを同社ウエブサイトからダウンロードして必要事項を記入して返信する必要がある。同社では余裕を持った3泊5日の日程を推奨している。(1面に記事)
同社のワクチン接種ツアーの詳細はhttps://www.at-newyork.com/tour/#1