クオモニューヨーク州知事は、感染者が比較的少ないシラキュースなど州北部についてはフェーズ1として5月15日から再開できる可能性があるとしているが、ニューヨーク市、ウエストチェスター郡、ナッソー郡、サフォーク郡の州南部については、ニュージャージーおよびコネチカットの隣接州との連携が必要となるため調整が必要としている。政治的判断ではなく数字的判断を優先する考えだ。
外出制限は15日まで
経済再開は段階的に
クオモ知事は4日、記者会見で「5月3日の総入院者数は9617人と2日連続1万人を下回り(21日連続減少)、1日の入院者数(直近3日間平均)も717人とこちらも2日連続800人を下回った。また同日の死者数は226人と4日連続で300人を下回った」と発表した。「ウイルスはヨーロッパからNYへ入った可能性が高く、第二波がある可能性もあるため、データと科学に基づき指標(Metrics)を計測することが必要。そこで入院率とウイルス検査率をフォローしつつ感染者の過去の行動を追跡して感染率(実効再生産数)を1・1以下に抑え、且つ、病院のキャパシティも維持した上で、地域毎に段階的に再開を行う」とした。
この方針に基づき知事は、新規感染の監視、病院のキャパシティ、ウイルス検査のキャパシティ、追跡のキャパシティの4つを重要な要因として再開に向けた具体的基準を策定した。これらの基準を全て満たした地域において、経済的影響が大きく感染リスクが低いビジネスから再開することを基本として産業別に次の4段階に分けて再開する方針を明らかにした。
▽フェーズ1:建設業、製造業、卸売業、一部の小売業▽フェーズ2:金融・保険等の専門サービス、不動産、小売業▽フェーズ3:レストラン、飲食サービス、ホテル▽フェーズ4:芸術、エンターテーメント/娯楽、教育。
これらの基準に照らし合わせたところ現時点では州内10地域のいずれの地域もすべての基準を満たすには至っていないが地域差があるとした。
▽リスクが低い5地域:ノースカントリー、モホークバレー、サザンティア、セントラルNY、フィンガーレイクス
▼リスクが高い5地域:NY市、ロングアイランド(ナッソー郡・サフォーク郡)、ミッドハドソン、キャピタルディストリクト、ウエスタンNY)。
以上を踏まえて,在宅勤務を命じ、自宅待機等を要請したNYPAUSE(外出制限)は5月15日で期限を迎えるが州内10の各地域は、具体的基準を全て満たした上で、段階的アプローチに従ってビジネスを再開することになる。「各地域とも再開に向けて準備を万端に」と述べた。