その2:現地が発信するルート66の情報源
ルート66ファンの皆さんこんにちは! 日本はゴールデンウィークの10連休が終わり、天皇陛下の退位から新天皇の即位へ伴い年号の変わり目となる5月。ニューヨークの皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
先月より始まりました「魅惑のアメリカ旧街道ルート66 シーズン3」。前回はおさらい目的でルート66とは何かを今一度お話ししました。シーズン3は、ルート66に関するある特定のトピック、街、人物、そしてルート66の抱える問題点や将来のテーマ等、それぞれの内容に少し深くフォーカスして、「この場所行ってみたいな、あの人に会ってみたいな」という気持ちをより持っていただけるような内容となります。ぜひお付き合いください!
さて、今回は「現地が発信するルート66」と題して、ルート66の情報を小まめに仕入れられる情報源のご紹介をしたいと思います。もちろん「現地が」というからには内容は100%英語ですが、ニューヨークやその他の米国にお住まいの皆さんには問題のないことと思いますので、お時間を作ってぜひ情報収集を楽しんでもらえれば幸いです。
「Route Magazine」は、2018年2月、ルート66を代表する作家であり歴史家であるマイケル・ウォリス氏の独占インタビュー記事をメインに、颯爽とこの世に登場しました。その雑誌のシンプルで美しいデザインと内容の素晴らしさに私たちルート66ファンは一瞬で魅了されました。「Route Magazine」はアメリカという、素晴らしく、偉大な国の中にしっかりと存在する「ヒューマン・ストーリー」に焦点を当てた、単なる旅行誌に留まらない「文化誌」です。創刊号にあたる18年2月・3月合併号から隔月で発刊しており、ルート66上の主要なホテル・モーテルとお土産屋さん、そして大型書籍店チェーン「バーンズ&ノーブル」で販売されています。内容はルート66の話題が中心ですが、ルートを離れたネバダ州、ユタ州などの個性的な地域からも、そこに住む「人々」や「文化」の物語を展開する、読み応え満点の雑誌なのです!
「Route Magazine」は、ケニアのモンバサ出身のブレナン・マシューズという男性の手によって生まれました。ブレナンは2000年にWorld Visionでナイロビの食糧安全保障担当官としてキャリアを始めます。その後、国際開発学の修士号、社会学とコミュニティ開発学の学士号(文学の副専攻)を取得し、世界最大級の営利団体、例えば World Vision、CARE、赤十字、そしてUKのティアファンドと仕事を始めるようになります。さらにはケニア、ウガンダ、マリの全国レベルでのコミュニケーションとマーケティング戦略も担当しました。一方で、熱心な読者そして作家でもあったブレナンは、01年にカナダの大手日刊紙に9/11時のアメリカの壊滅的な攻撃に対するケニアの反応に焦点を当てた彼の最初の記事を掲載。それ以来彼の作品は世界中のさまざまな新聞や雑誌に掲載されるようになり、東アフリカでも有数の高級ライフスタイル・タイトルである「Destination Magazine」の編集長としてエンターテインメント業界にて、スカーレット・ヨハンソン、マシュー・マコノヒー、ライアン・レイノルズ、フォレスト・ウィテカー、LLクールJら著名な人々と仕事をするようになりました。
ブレナンのプロとしての道のりは、13年以上の管理職、18年間のフリーランスの執筆、そして東アフリカで受賞歴のある「Destination Magazine」での8年間の編集長としての経験と、彼独自のスキルの融合が、現在の「Route Magazine」にその魅力として凝縮されているわけです。
ブレナンは彼の家族と15年半ばに環境を変えるため北アメリカに移住し、そこを起点として新たな生活を開始しました。彼によれば、ルート66との出会いは「偶然」だったとのことです。どうしても西へ向かって旅をしたくなったその時に、まさにその旅行中でルート66に出会い、「一瞬で恋に落ちた」と語っています。その証拠に過去3年間で、シカゴ〜サンタモニカのフルストレッチを何と6回も走ったんですって!(笑) 何ともまあ羨ましい。
「Route Magazine」の公式サイトはwww.routemagazine.usで、ウェブサイトでも多くの記事が読めますが、北米以外に住んでいる皆さんはデジタル版の無料ページも購読できます。この機会にぜひ無料登録して読んでみてはいかがでしょうか? ご心配無用、登録したからと言って宣伝メールなんかは送られてきません。でも、ニューヨーク在住の皆さんなら、お近くのバーンズ&ノーブルで「一家に一冊」、いかがでしょうか?
最後にもう一つ、筆者の運営するルート66日本アソシエーションも多大にお世話になっている、ルート66本家本元の関連ニュース・ウェブサイト、「Route 66 News」(www.route66
news.com)もおススメの情報源です。こちらは遡って05年からずっと15年近く続いているウェブサイトで、発行人のロン・ワーニック氏は筆者の大切な友人の一人。ルートに出るときは極めて有益な情報が満載です。それではまた来月お目にかかります!
(後藤敏之/ルート66協会ジャパン・代表、写真も)