国連国際学校で千葉さん和菓子の実演

日本語を学ぶ米国の高校生370人参加

 米国東海岸で日本語を学ぶ13校の高校生370人余りが参加して3月27日、第28回北東部日本語教師会(NECTJ、津田和夫会長)主催の春祭りがニューヨークの国連国際学校(UNIS、田中雅裕同祭実行委員長)で開催された。同校は国連職員の子弟のために創設された学校。

 日本政府を代表してニューヨーク日本総領事館の森和也広報センター長が祝辞を述べ、国際交流基金ニューヨーク事務所日本文化センターの下山雅也所長が出席した。

 同祭では式典の冒頭に、ニューヨーク在住の料理研究家、千葉真知子さんが、電子レンジ・クック膳を使った和菓子制作の実演を披露しながら講演した。お干菓子の材料、寒梅粉20グラム、和三盆40グラム、色粉、しとりみつ小2(しとりみつは、水あめ、水でつくる)を英語で説明しながら「昔からあるお干菓子の木型は4万5000円もして、型を彫る職人は日本にはもう数人しかいなくなり、お干菓子のプラスティックの型を私が考案しました」と言うと会場から拍手が湧いた。春祭り会場では、日本文化を体験するブースが1階ロビーに設けられ、千葉さんのブースには早速高校生たちが集まり、まずは、練り切りをアンパウダー、砂糖、塩、水をクック膳で3分加熱して和菓子の型に詰めて出来上がるところまでを体験して、最後はパクリとかじって「うーん、美味しい! 柔らかい日本の味です」と綺麗な日本語で感想を語り笑顔を見せていた。(写真上=講堂で和菓子について説明する千葉さん)

千葉さんの指導で和菓子の制作に初挑戦する米高校生たち

 国連国際学校での実演の前、一時帰国から米国に戻る直前に千葉さんは、文化庁の都倉俊一文化長官を訪問した。千葉さんは「都倉長官は、日本の伝統文化である和菓子を世界に発信していきたい。木型を彫る職人が数人しかいなくなり、高額なことも問題だと話され、私の開発した20種のプラスチックの和菓子の型、英語の本に大変興味を持ってくださいました。簡単に作ることも外国人には必要とも。パリのコルドンブルー料理学校の先生たちに和菓子の指導をした事も大変評価してくださいました」と話した。