ニューヨーク州の新型コロナウイルスによる死者の合計が7日、前日の4758人から5989人と731人増加し、1日の死者数としては過去最大となった。このうち524人がニューヨーク市内在住者で、州内死亡者の約7割がNY市民だった。3日前に死亡数増加幅が減少に転じて死者数が頭打ちになり感染拡大がピークを迎えたかの期待が打ち砕かれた。
同日記者会見したクオモNY州知事は「集中治療室に入院する患者数は89人と減少したが、残念ながら1日あたり死者数が今までで最大になった。医療体制について考えるとき、重要なのはベッド数・医療スタッフ・医療器具の3つだ。幸いベッド数は現在5万3000床で将来9万床まで増える見込みだが、医療スタッフが足りない。多くの医療スタッフが多大なプレッシャーの中で疲弊している」と現状を報告した。
知事は、大統領と話し、海軍病院船コンフォートをコロナウイルスの患者の治療に転換できることとなった。同船のベッド数はこれまでの1000床から500床となる。このほか、ジェイコブ・ジャヴィツ・コンベンションセンターで2500床の受け入れ余地がある。
また、知事は、通常の経済生活に戻るためには、NY州、NJ州、CT州との3州間の協力アプローチに加えて、特に検査の大規模な実施が重要だと述べた。1918年のスペイン風邪の際には、6か月続き、NYだけで3万人が亡くなっている。同知事は「現在は、感染者数がピークに達しようとしている。引き続き、社会的距離はよく効いており、また、NYの活動休止も効果をもたらしている。引き続きこれを守ろう」と呼びかけた。
(写真)赤くライトアップされたエンパイアステートビル(6日、写真・植山慎太郎)