世界保健機関(WHO)は11日、「世界的大流行」と宣言した。メリーランド州のジョンズ・ホプキンス大学によると、10日午後の時点でニューヨーク州では、米国内で最多の173人が感染。そのうち108人は、ニューロシェルがあるウエストチェスター郡で確認されている。
ニューロシェルから南40キロにある、人口約800万人のニューヨーク市では、これまでに36人の感染が確認されている。同州は感染者が89人となった7日に「非常事態宣言」を出した。また10日にはニュージャージー州で初めて死者が確認され、フィル・マーフィー知事が非常事態宣言を出した(関連記事13面に)。
学校などの休校も相次いでいる。感染が確認されたニューロッシェル在住の男性弁護士(50)の家族が通学しているママロネックのウエストチェスター・デー・スクールなどが休校していたが(=前号既報=)、新たにウエストチェスター郡スカースデールでは公立中学校の教師に陽性反応が出たため、同区のすべての公立学校が3月9日から18日日まで休校となった。
ニューヨーク市の1800の公立学校では学校に関連する症例は確認されておらず、9日時点では休校措置を取る計画はない。「特定の学校を閉鎖することは、非常に具体的な理由と可能な限り短い期間でのみ検討することになる」とビル・デ・ブラシオ市長は9日「保護者は学校が安全である限り継続し、子供たちが教育を受けられるのを見たいと思っていると思う」と述べている。
一方、大学ではクラス授業を取りやめオンライン授業に切り替えるところが相次いでいる。学生1人と教職員2人の計3人に陽性反応が出たマンハッタンのイェシバ大学は8日、少なくとも1週間は休校にすると発表。ロングアイランドのホフストラ大学も、感染者がいたとされる会議に出席後、症状が出始めた学生が出た。学生はウイルス検査中で確定はしていないが同じく1週間の休校措置に入った。フォーダム大学でも症状が出た学生がウイルス検査中だが11日からオンライン授業のみにした。3月30日までには再開したいとしている。コロンビア大学もクラスでの授業は行わずオンライン授業に切り替えた。ニュージャージー州にあるプリンストン大学も最低2週間、3月23日までオンラインのみにする。
ニューヨーク市の他の事例には、アッパーウエストサイドに住んでいる3人家族、エジプトのクルーズから戻った後に症状を示したブルックリン在住の60代と70代の女性2人、感染が拡大しているイタリアを訪れた後、入院したブルックリンの30代の男性などがある。サラトガ郡で発見された感染者2人は、マイアミでの会議に出席した際、ウイルスに感染した人から移された可能性が考えられるという。