その12:お土産屋さん(後編)

魅惑のアメリカ旧国道「ルート66」なんでもベスト10

 ルート66ファンの皆さん、こんにちは!
 3月の声を聞くと、冬眠していたルート66ファンも旅の準備をし始め、少しずつですがロードに出てきます。まだまだ中西部は雪が多いですが、4月初頭にはいろいろなイベントも始まりますので、また楽しい1年がやってきそうです。
 さて、「テーマ別何でもベスト10」。いよいよこのシリーズも今回が最終回。最後のカテゴリーとなる「ルート66上のお土産屋さん」、筆者が独断と偏見で選んだトップ5を今月はご紹介していきます。

【第5位】
 テキサス州エイドリアンにある「Sunflower Station」のご紹介からスタートしましょう。読者の皆さんであればもはやエイドリアンの説明は不要だと思いますが、そうルート66、シカゴからロサンゼルスへの「中間地点」で有名な場所です。記憶されている方も多いと思いますが、モーテルやレストラン編でもご紹介した街です。オーナーはフラン・ハウザーさんという女性で、以前経営していた隣にある「ミッドポイントカフェ」を売却した後にこのお店を開きました。お土産屋と言ってもフランさんのお店にあるのはアンティークものを中心としたお洒落なアイテムが揃っており、通常のギフトショップとは一線を画しています。「ここでしか買えない」という商品がお好きな方にはおススメです。
【第4位】
 ニューメキシコ州トゥクムキャリにある「Tee Pee Curios」=写真=をご紹介します。こちらも記憶されている方も多いかもしれませんが、モーテル編では同街のブルースワローをご紹介した際にちょっとだけ触れたお店です。そのブルースワローモーテルより徒歩3分の、道を渡って斜め向かいに建つ円錐状のテントのお店がそれです。Tee Pee の意味はアメリカ先住民インディアンのテント(小屋)で、柱と毛皮や樹皮から成る円錐形の可動式住居のことを言います。まさにお店の姿はそれそのもの。夜になるとネオンがきれいに輝くので、モーテルを含め、やはりこの街は1泊することをおススメします。お店の品ぞろえはもちろん充実、Tシャツやセーター、野球帽をはじめ、マグカップ、小物、ナンバープレートから各種書籍まで幅広く見つかります。ご主人は筆者の親友で、とても気さくなGARさんです。
【第3位】
 アリゾナ州ジョゼフシティ近郊に威風堂々と鎮座する、「Jack Rabbit Trading Post」です。まっ黄色なボードに書かれた「Here It Is」という赤い文字と黒いうさぎさんの立て看板は、多くのトラベラーの目を引くとともにルート66を検索すると嫌でも(?)目にするイメージで世界中の人に広く知られています。オーナーのシンディさんとアントニオさんは長い時間をかけてこのお店(看板)を再生し、各旅行者の自宅からこのお店までの距離を一つ一つペイントしたオリジナルボードを作ってくれるというアイデアに満ちた新商品を開発。筆者ももちろん速攻で注文しましたが、かなりの反響を呼んでいることがSNSでも確認できます。もちろん各種お土産品は大体のものが揃います。初めて彼らを訪れたとき、筆者の敬愛するルート66の先輩方(大塚氏、竹内氏、花村氏)の直筆サイン入り書籍を陳列していたことも衝撃的でした。看板の前で写真を撮るのもよし、お店の前のうさぎ像に乗ってポーズをとるのもよいかもしれません。以前は東から西へ向かう時、いったんフリーウェイを降りて戻る形をとる必要がありましたが、1年ほど前にもうひとつ出口ができ、スムーズに立ち寄れるようになったのも彼らの功績でしょうか。
【第2位】
 カリフォルニア州、ルート66の終点サンタモニカのピアに建つ、「66 To Cali」のご紹介です。このお店は今から約10年前、それまですでにルート66を25回も旅をしているダン・ライス氏によって生まれました。ルート66にあまり興味がなくとも、ロスアンゼルスを訪れる多くの観光客はサンタモニカ、そしてサンタモニカピアを訪れます。ピアに入ってほどないところにその「お店」は存在し、現在もカリフォルニア州を始めルート66全体の観光局としてもその役割を果たしています。お店の商品のこだわりはすべて「Made In USA」。Tシャツ、スウェット、ショットグラスからマグネットや書籍まで、すべてアメリカ製です。数年前ご縁あってダンさんと長い時間、ルート66に対するお互いの意見交換をする機会があり、その際にこのお店を開くにあたっての熱意を目の当たりにしました。現在はカリフォルニア州ルート66協会の会長でもあるイアン・ボーウェン氏が事あるごとにお店番をし、その豊富な知識をルート66ファンと共有しています。
【第1位】
 またまたアリゾナ州に戻ってルート66界の父と呼ばれる伝説の彼が率いるお店「Angel & Vilma Delgardillo’s Original Route 66 Gift Shop」です。ここはもう説明は不要かと思います。ルート66の商品なら何でも揃ううえ、伝説のエンジェルさんと会えるわけですからもう何も要りません!(笑)某大手旅行代理店のツアーも1日1回、大型バスの横づけです。絶対損はしないので是非ご訪問を。
 ということで、今月も駆け足で紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。すべてを書くことはできないので、もっと詳しく知りたい方は筆者まで直接ご連絡ください。「ルート66何でもトップ10」の連載はこれで終わりです。皆さまご愛読ありがとうございました!
(後藤敏之/ルート66協会ジャパン・代表、写真も)www.toshi66.com