DEEPなQUEENS  キュー・ガーデンズ

No.1 ガーデン・コミュニティーの町

 キュー・ガーデンズは、イギリスの有名なキュー植物園にちなんで名付けられ、クイーンズ区内で作られた7つのガーデン・コミュニティーの一つ。住宅エリアとビジネスエリアとがあります。

 住宅街は、西に広々としたフォレスト・パーク、東に美しいメープル・グローブ墓地と緑地に隣接し、イギリス風の家々が並らび、静かでのんびりとした印象。

 2010年での人口約2万3300人の内訳は、白人49・3%、ラテン系24・3%、アジア系15・6%、アフリカ系6・5%。白人数は2000年の66・2%から16・9%減少し、ラテン系とアジア系が増加。多様化が進んでいるようです。

 また、ビジネスエリアは、NY市地下鉄Kew Gardens-Uion Turnpike駅近辺で、店舗が並び、交通量も多く賑やか。政府機関や裁判所などがあり、クイーンズ区の市民センター的エリアです。

 さらに、高速道路へのアクセスがよく、JFK空港とラガーディア空港のほぼ中間地点に位置しているので、航空会社のパイロットや客室乗務員らの滞在地となっているそうです。

 地下鉄駅に加え、ロングアイランド鉄道のキュー・ガーデンズ駅があり、この駅前で、1964年3月13日未明、28歳のキティ・ジェノベーゼが、駅近くにある自身が住むアパートのすぐそばで殺害される凄惨な事件が起こりました。犯行時、38人が目撃したり助けの叫びを聞いたそうですが、ほとんどの人が行動を起こさず。わずかながらも警察に通報しようとした人がいましたが、関係部署に繋がらなかったとの事。それがNY市の911緊急通報システム導入の一つのきっかけとなりました。また、この事件は傍観者効果と言われるジェノベーゼ症候群と呼ばれ、今でも人々の無関心さの象徴として取り上げられるそうです。

 プロフィール 兵庫県明石市出身、ウエストチェスター在住。週末、街歩きグループと共に、未知なるNY市内を元気に探索中。ブログ「見タイ知りタイ!行った気になる歴史と散策」を主宰 https://kkykm-m.com/