米国中小企業庁(SBA)は現在、新型コロナウイルスで損失を被った中小企業向けの支援策「給与保護プログラム(PPP)」の第2回目の申請の受け付けを実施している。昨年の前回応募した企業も、条件次第では2回目の申請が可能となっている。この措置は2020年末に成立した新型コロナ追加対策法に基づいて承認された予算で復活したもので3月31日が申請の締め切りとなっている。
PPPは昨年3月に成立した「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障(CARES)法」に基づいて導入された救済措置で、支出に関して一定の要件を満たせば、融資の全額または一部の返済が免除されるため利用者の多い支援策だったが、1回目の申請が8月8日で締め切られた。今回、2020年末成立の法律でPPPに2840億ドルが充てられたことで再開された。
自分の力でやるしかないPPPの申請
専門家の有料サービス代行などは法律で禁止
米国中小企業庁(SBA)は現在、新型コロナウイルスで損失を被った中小企業向けの支援策「給与保護プログラム(PPP)」の第2回目の申請の受け付けを再開した。
今回初めて申請する事業者が満たすべき申請要件と運用ルールは昨年と同じだが、SBAは幾つかの点で制度を改善した。例えば、借り主は受領した融資の利用期間について8週間から24週間の範囲であれば自由に選択できるようになる。
また、返済免除の対象となる使途が拡大され、従業員の給与だけでなく、事業運営費用や、施設修繕費、事業に必要な資材の調達費、新型コロナ感染から従業員を守るために州・自治体が定めた規則を順守するために支払った費用などもカバーされる。ただし、返済免除が認められるためには、融資額全体の60%以上を給与関連に利用しなければならない点は変更がない。
ニューヨーク、ロサンゼルス、東京に事務所を構える齊藤事務所の齊藤幸喜代表は「2回目のプログラムのメリットは、1回目のプログラムと明確に区分したことです。これは前回の延長でないので、2回目のPPP Loanが受給可能になることです。しかも、PPP Loanは前回と同じく、全額免除を前提として実施されています。債務免除プロセスもより簡易なかたちになると言われています。また、給与以外に使える費用も広がりました。例えば、コロナ感染防止策、のためのアクリル板の設置などへの支出も認められます」と話す。
齊藤氏によると現在、法律でPPPの手助けを有料で専門家が提供することは禁じられているため、企業は自社で対応していくしかないのが現状とのこと。PPPについてはフィーが取れないため、弁護士事務所も会計事務所も宣伝していない。聞かれればアドバイスはするが、フィーはいっさい取らない(取れない)とのこと。