市経済開発局が環境面で前向き判断

クイーンズのアストリアとブルックリンのサンセットパークとを結ぶ路面電車計画が実現に向けて一歩

 2016年にニューヨーク市のデブラシオ市長が構想を発表したクイーンズとブルックリンを結ぶ路面電車「ブルックリン・クイーンズ・コネクター(BQX)が実現に向けて一歩前進した。
 同市の経済開発局が5日、環境面での影響について前向きな判断を発表し、家賃や物価の高騰などのマイナス面もさることながら、沿線住民にとって有益な足となることが報告された。
 同計画は、クイーンズのアストリアとブルックリンのサンセットパーク、約11マイルを南北に結ぶ交通網。特に約4万人が住む低所得者住宅がある地区は、バスや地下鉄などの路線が不便で、「陸の孤島」とも言える。
 ニューヨーク市を走るバスや地下鉄は、メトロポリタン交通局(MTA)の管轄下だが、同路面電車や2017年に始まって大好評のNYCフェリーはニューヨーク市独自の管轄となる。デブラシオ市長は、昨年8月に実施した実現の可能性を探る調査の後で、10億ドルの資金援助を連邦政府に求めている。
 総工費予算は約27ドル、当初は2019年着工予定だったが、現在では着工が24年以降になるとも予想されている。