トロカデロ・デ・モンテカルロ 日本人団員2人に聞く

「瀕死の白鳥」をいつか 吉野
「まだ進化できるって思う」岩濱

 —入団の経緯は?

吉野(写真上:右):ポワント(トウシューズ)で踊るのが好きで、友人のを借りて遊んでいたんです。その友人がオーディションがあるのを教えてくれて。

岩濱(写真上:左):大学でダンスを教えようと思い大学院に行ったんですが、やっぱり踊りたいと思って卒業と同時にオーディションを受けました。

—コメディ性ある演技について。

吉野:普段は静かな方なので、実は人を笑わせるのが苦手で…。

岩濱:僕は、もともと得意なんです。間の取り方など研究するのも楽しい。

—ダンサーとして気をつけていることは?

吉野:ちゃんとした食事ですね。入団時は忙しい時はお菓子だけみたいな食生活でした。皆エネルギッシュで公演後の誘惑も多いのですが…。

岩濱:年齢的に無茶ができないので、解剖学の動画を見たり水を多く飲むようにしたりして、筋肉が固くならないようにしています。

—今後の挑戦は?

岩濱:入団時は群舞で踊れればそれだけでも幸せだと思ったんですが、主役デビューもできて、まだ進化できるって思っています。今後どう進化していくか。「オトナリーナさん」たちには励まされます。

吉野:早や6年で、古い順で3人目です。人気ソロ作品の「瀕死の白鳥」をいつか踊りたいです。

—年末年始公演について。

岩濱:過去に日本人が2人いたことはないんです。ぜひ僕たちのバレエを観てください。

吉野:くすっと笑える要素があるバレエです。バレエを観たことがない方も、この機会に楽しんでください。

 (Photo: Zoran Jelenic)

プロフィール

吉野鷹臣(よしの・たかおみ)兵庫県出身。4歳でバレエを始め、オオサカプリ全国クラシック・バレエ・コンペティションなど数々の受賞歴があり、18歳の時に奨学金を得てロシアのワガノワ・バレエ・アカデミーに入学。米国アトランティック・シティー・バレエを経て、2018年に入団。


岩濱翔平(いわはま・しょうへい)東京都出身。204歳でモダンダンスを習うもののチェロ奏者を目指す。15歳の時にクラシックバレエ公演を観て以来、ダンサー人生をスタート。18歳で文化庁新進芸術家海外研修制度の奨学金を得てエイリー・スクールに留学。サム・ヒューストン州立大学で学士号と修士号を取得。2022年に入団。