阿波踊り本場で優勝

「アメリカ連」の皆さん

訪日して会場を魅了

 日本三大盆踊りの一つとしても知られる、阿波国(現・徳島県)発祥の「阿波踊り」。その米国普及活動をしている在米邦人グループ(連)がこのほど訪日し、本場徳島で開催された阿波踊りコンテストで見事優勝した。

 このグループは、2019年にニューヨーク連副連長だった上原博さんが全米5都市の7つの連に働きかけ、同年12月に結成した「NPO法人アメリカ連」の皆さん。

 阿波踊りの魅力をアメリカ人にも伝える目的で全米各地に「連」(グループ)が存在しているが、それぞれ別々に活動をしていた各都市の連を「一緒に活動することで、全米各都市の日本イベントに出演するなどしてより多くの普及活動がしやすくなる」と登記し、上原さんがアメリカ連・連長に就任したものだ。

 だがその後すぐにコロナ禍になり、広いアメリカでは最大3時間の時差もあって一緒に練習することができなかった。「早くアメリカ中に阿波踊りを広めたい」という共通の想いからZOOMなどを駆使して練習を続け、このほど、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ、ニューヨーク、アリゾナの連からの選抜メンバーが、聖地徳島の「アスティとくしま」で今月4日に開催された世界阿波踊りコンテスト「秋の阿波踊り」に出場を果たした。

 アメリカ連は、大きな会場を意識して、ソロ、デュオ、男、女、踊りの各パート、「お囃子」と呼ばれる音を奏でる担当がそれぞれ輝けるような構成と、阿波踊りの基本は守りつつ「アメリカらしさ」を押し出した選曲、そして基本の踊りにジャズ、ヒップホップ、ストリートダンスなどの要素も混ぜ込んだ踊りで会場を魅了し、見事優勝を飾った。

 上原連長は「これからもアメリカと徳島の文化を融合して、400年以上続く伝統の阿波踊りを全米に広めていきたい。来年はニューヨークやニュージャージーで開催される日本文化を伝えるイベントにも積極的に出演して、より多くのアメリカ人に阿波踊りの魅力を発信していきたい」と話している。