弾丸列車の殺し屋バトル

Bullet Train

 ブラット・ピット扮する殺し屋が新幹線の中で他の殺し屋たちと壮絶なバトルを繰り広げるアクション・コメディ。原作は伊坂幸太郎著『マリアビートル』。

 日本舞台の日本小説ながら登場人物の名前を含め英語作品として違和感のないよう脚本され、かなり大胆にハリウッドの味付けを凝らしている。ジョークと本気を混ぜながらのウィットに富んだ会話はアップテンポで「殺し屋」たちの流儀もオリジナリティを競う。

 原作舞台の東北新幹線が東海道新幹線に、また悪魔の申し子のような男子中学生「王子」は「プリンス」という名のイギリスの女子高生に変わっているのがメインの違い。バトルシーンはいうまでもなく桁外れの爆笑ものでハリウッドお得意の「日本もどき」シーンも満載だ。共演はジョーイ・キング、真田広之、サンドラ・ブロックら。

 オープニングは日本のロックバンド「女王蜂」アヴちゃんが歌う「Stayin’ Alive」の曲に乗り爽快に街を歩きながらスマホで誰かと話してるレディバグ(ピット)。やたらツキがなく弱気な殺し屋の彼はしばらく仕事から遠ざかっていたが最近復帰。ハンドラーのマリアビートルから急に「簡単なお仕事」を頼まれる。京都行き新幹線に乗ってあるブリーフケースを盗む、という依頼。東京を発ってまもなくブリーフケースは手に入れたが降りようと思ったらドアの前にもろ殺気立った男が立っていた。これがレディバグにふりかかるサバイバルバトルのキックオフだった。

 次々に現れる新たな殺し屋たち。それぞれ目的、思惑は違っているがどこかで皆つながっている。レディバグは積極的に誰かを殺すつもりはないが攻撃されれば応戦しなければならない。さて生き残るのはどの殺し屋か。そしてレディバグが請け負った仕事の行く着く先は。

 奥田民生のヘビメタ調「Kill Me Pretty」、カルメン・マキの「時には母のない子のように」、坂本九の「上を向いて歩こう」など場面に合わせた挿入歌の使い方も効いている。監督は「デッドプール2」のデヴィッド・リーチ。2時間6分。R。(明)

(写真)必死で応戦するレディバグ(ピット)Photo : Scott Garfield/Sony Pictures


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