八神純子NY熱唱

2夜連続で満員御礼変わらぬ歌声で魅了

老舗ジャズクラブバードランドで

 澄み渡る歌声、そして心に突き刺さる歌詞がマンハッタンの老舗ジャズクラブ、バードランドに2夜連続で響いた。日本の歌姫の座を45年以上守り続け、いま世界中で流行の兆しを見せているジャパニーズポップスの草分け的存在、八神純子の初のニューヨーク公演だ。

 当初から予定していた6月30日のステージが瞬く間にソールドアウトになったため、バードランドが八神に打診、急遽、公演前日の29日に追加公演が実現した。本紙の記事や広告を見てワシントンDCから聴きにきた熱心なファンなど二日連続で185席が満員御礼となった。

 ビリー・ジョエルの「ニューヨークの想い」で口火を切ったコンサート、デビュー曲「思い出は美しすぎて」から「ポーラスター」「みずいろの雨」「パープルタウン」の大ヒット曲3曲を一気に計12曲を歌いあげ、アンコールは「ララバイ・オブ・バードランド」。ピアノは長年八神とコンサートを共にする一人オーケストラの宮本貴奈が日本から駆けつけた。客席とステージが間近のジャズクラブならではの迫力だ。

 ワシントンDCで一昨年、女性シンガーソングライターの殿堂入りを果たした八神。「そんな私が日本だけで歌っていてはいけないなという思いで、ニューヨーク公演が実現しました」と話す。1986年から西海岸に住んできた。今回のライブの原動力になっているのは、地球の嘆きや叫びを曲を通して訴えた大曲「テラ(地球)」だ。「今までの私の音楽人生はこのアルバムを作るためにあったんだと強く感じています」という。11分という長い曲だが、聴き入るうちに長さを感じさせることはまったくなかった。

 八神は「初めてのバードランドでの2日間の公演を応援してくださった方々に、心からのお礼を申し上げます。ニューヨークというチェレンジャーズの街で「TERRA~ here we will stay」を届けられたことや『バードランド』を私の歌声で満たせた喜びは、きっと、豊かさと深みを増した私の歌声となって、これからの私を進化させてくれることと思います。 素晴らしい機会を、本当にありがとうございました。またお会い出来る日を楽しみに、一層頑張って歌い続けます」とコメントした。

 (三浦良一記者、写真も)