遠州綿紬をテーマにファッションショー、フィラデルフィアで開催

日本素材を活かす「サクラコレクション」

 一般社団法人サクラコレクションは7月6日、次世代の若者を育成するための「日本の素材」をテーマにしたファッションショーをペンシルベニア大学内アイロンゲート劇場でフィラデルフィア近郊のファッション学部専攻の学生デザイナーとともに開催した。同法人が10年間海外で実施してきたショーの一環で、北米では初開催となる。

 今年のテーマは、江戸時代から続く静岡の伝統織物「遠州綿紬」。伝統を重んじ、日本の四季をイメージした色で糸を染め、昔ながらの織機で1日40メートル以上、丁寧に織られた生地は、驚くほど柔らかな手触り。明治以降、織機メーカーとして創業した現トヨタ自動車や浜松に本社を構えるスズキ株式会社により、動力で織機を動かす力織機(りきしょっき)が登場、昭和30年代に全盛期を迎えた。浜松市は現在も日本3大繊維産地のひとつである。

 同イベントでは、共催の在NY総領事館の森美樹夫大使やフィラデルフィア市長ジム・ケニー氏が挨拶、尺八生演奏と殺陣ライブショー のパフォーマンス、デザイナー表彰式、懇親会も行われた。このショーは今年10月にブルックリンのジャパンビレッジでも大規模な日本イベントとして開催される予定だ。

 同イベントを企画・主催したサクラコレクション代表理事の田畑則子さんは「コロナの2年間、予定していたイベントが中止になり、なんとか継続しようとオンラインでコンテストを実施してきたが今回、北米大会を初めて開催できたこと、それも、リアルのイベント会場で実施したことをとても感慨深く思う。森大使をはじめ、フィラデルフィア市のケニー市長などもご出席くださり、今回のイベントは大きな歴史の意味をもつ出来事です」と話していた。同大会は全日空、マウントフジ、ぬくもり工房、ZESDAが後援した。

(写真)華やかなフィナーレで幕を閉じたサクラコレクション北米大会(ペン大講堂で)

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