7月2日までジャパン・ソサエティー
ジャパン・ソサエティーは4日から7月2日(金)まで、「苦闘としての映画・原一男と、小林佐智子の映画全作品群」をオンラインで上映している。(協力・ジャヌスフィルム、疾走プロダクション)
今年は、疾走プロダクション(原一男、小林佐知子)の50周年記念にあたる。原は日本におけるドキュメンタリー映画作家として影響力のある一人で、小林はプロデユーサーとして映画を共同制作し、原の人生のパートナーでもある。彼らの映画は、人間の複雑で計り知れない根底の有り様を深く追求しており、世界で高く評価されている。その中で最も知られている作品『ゆきゆきて、神軍』は、第2次世界大戦の戦争犯罪を背負った奥崎健三の向こう見ずな人生をとことん描き、ある戦争犯罪を暴くもの。原と小林は、庶民と権力者の挟間にある困難な状況、苦闘をドキュメントすることに人生を掲げてきた。その疾走プロダクション50周年に敬意を捧げ、1972年制作の『さようならCP』から2020年製作の叙事詩的最新作『水俣曼陀羅』まで、全作品を上映する。
視聴料は10ドル。会員でなくても映画を見ることができる。https://film.japansociety.org/を参照。
■疾走プロダクション海外セールス担当・黒岩久美さんからのコメント
「今回、原一男、小林佐智子の疾走プロ50周年記念を迎え、全作品をジャパン・ソサエティーでオンライン上映することになり、嬉しく思っております。世界に誇る素晴らしいドキュメンタリーの数々、『またの日の知華』(劇映画)を観せていただく機会をジャヌスフィルムと共に作っていただきました。『ゆきゆきて、神軍』を見た時の感動は、
「こんな映画作りがあるのか!」という驚きでした。特に最新作の『水俣曼陀羅』は、6時間を超える作品ですが3部に分かれております。かつてない、人々に対する愛に満ち溢れた、叙事詩の様な作品です。
映画とは、人々の感情を表現するものであるという信念に立たれている原監督の作品はどの映画にも驚きのあるものです。昭和、平成、令和へと日本の変容を物語る数々どうぞお楽しみください。2022年には、ついでながら「ドキュメンタリーは格闘技である」という本をアメリカでもkaya pressが出版予定です」
(写真)全身小説家