石榑雅代カーネギー公演
米国でのプロ生活30周年を記念した石榑雅代の琴・三味線リサイタルが6日、カーネギーホール・ワイルリサイタルホールで開催された。出演は石榑のほか、ザック・ジンガー(尺八)、ノーザン・コチ(ピアノ)、ツボイノリコ(琴)、ミヤビ琴&三味線アンサンブル。
ステージでは沢井忠夫作曲の「桜/荒城の月」、沖縄の音階を使った「銀河」を琴と三味線で、現代曲の最高傑作琴ソロ「鳥のように」。ザック・ジンガー作曲の「Dance of the snow foxes」は、琴、ピアノ、尺八のための作品で、各楽器が部分的に即興で演奏するジャズの要素を取り入れた。また沢井比河流作曲・6人の琴奏者による力強いアンサンブル「吟遊歌」、箏とピアノ曲・松本秀明作曲「千鶴/風の行方」などを披露した。演奏後はニューヨーク総領事の森美樹夫大使をはじめ、来場者全員が立ってスタンディングオベーションの拍手を贈った。石榑は「無事に公演が終えられましたことホッとしています。通常邦楽の公演の観客は見知った顔が多い中、今回は関わりのない方々にも多くお越しいただけたこと、NYでの邦楽の周知度に進歩がみられたことを実感しております。少しずつではありますが、更に前に進める可能性があることを実感しました。新しい感覚の作品にも興味を持っていただけたことも良かったと思います」と公演後話していた。
公演は1年間ボランティアで準備を進めた小野山弘子さん主催、NY日本商工会議所のJCCファンド、国際交流基金NY事務所、キャッチ・アス・パフォーミングアーツの協力で開催された。(写真・成田 将之)