ブルーノートで再び
ドラムス竹村一哲米デビュー
渡辺貞夫カルテットのコンサートが3月21、23、24の3日間ニューヨークのブルーノートで開催された。出演は渡辺(サックス)のほか、ラッセル・フェランテ(ピアノ)、ベン・ウィリアムス(ベース)。ドラムに初めて米国で共演する竹村一哲が加わった。
初日ファーストセットではバタフライ、プラムアイランドで始まり、アイム・オールド・ファッションド、ユー・ベター・ゴー・ナウなどビバップサウンド時代の演奏から80年代、最近の曲までを網羅して時に激しく時にささやくようなサックスを聴かせた。ドラムスの竹村は、日本で8年間渡辺とレギュラーで共演している札幌出身の新進気鋭のドラマーで、その才能は渡辺が「お聞きの通りです」と太鼓判を押すだけあって、会場で大喝采を浴びた。
演奏直前に新しいサックスを楽屋で床に落としてしまって楽器の一部が曲がってしまった。そのことをステージで渡辺が口したのは、音には影響はなかったものの「演奏直前だったのでまいったなあって思った」その少し動転した自分気持ちをステージで落ち着かせるための自己暗示みたいなものだったのか。今回のニューヨークのブルーノート公演は4年ぶり。「僕の思いが全部含めて伝わればいいね。年内のスケジュールはどんどん決めているので、あとはかっこ良く消化していきたいな。レコーディングは演奏活動の方が忙しくて特にいまスタンバイはしていない。ニューヨークは、僕にとっては62年以来の町ですからね。いつ来てもエキサイテイングな、格別な町ですよね。ニューヨークの若いジャズメンには、大変だろうけど、頑張れというしかないんじゃないか」と楽屋で語った。(三浦良一記者、写真も)