映画「65」
舞台は6500万年前の地球。白亜紀の最後の期でありジュラ紀同様、恐竜が繁栄した時期でもある。そう、恐竜ファンにはたまらない、T-レックスをはじめさまざまな恐竜がスクリーン狭しと暴れまくるSFスリラーだ。
「ハングリー・ハーツ」(2014年)でヴェネツィア国際映画祭男優賞を受賞するなど性格俳優として知られるアダム・ドライバーがこの手の作品に主演するのは意外でもあるが、「スター・ウォーズ」シリーズでは悪役カイロン・レンを演じており、どうも宇宙への思い入れがありそうだ。監督・脚本は「クワイエットプレイス」を脚本したスコット・ベックとブライアン・ウッズのコンビ。
宇宙船パイロットのミルズ(ドライバー)は地球と同様に空気も水もある惑星ソマリスで妻と娘と暮らしている。しかし、娘は病弱で治療費を捻出するために他の惑星に移住者を送り届ける仕事を引き受ける。往復に2年はかかるため、今日は親子3人で海に遊びに来た。両手を組み合わせ空洞になったところに息を吹き込み音を鳴らす手笛をミルズが娘に教える。父娘のつかの間の幸せなひと時だった。
ミルズの宇宙船は目的地に着く前に小惑星のかけらが機体に当たり船体が2つに割れた形で見知らぬ惑星に墜落。生き残ったのはミルズと少女コア(アリアナ・グリーンブラット)だけ。ミルズは2つに割れたもう一方の機体に救助を要請する通信機器と脱出用の小型宇宙船が搭載されているのに気づき、コアとともに山頂近くを目指して出発する。ミルズは墜落した場所が白亜紀の地球だとは知らない。1メートルほどのトカゲのような生き物に飛びかかられるまでは。
CGIによる「まるで本物の恐竜」は「ジュラシック」シリーズでお馴染みだが、これぞという獰猛系が次々現れ手に汗握る展開。が、恐竜と人間のバトルだけではない。ミルズがコアに自分の娘を重ね合わせ全力で彼女を守り、コアも失った両親を想いながらミルズに頼りそしてミルズを助ける、父娘のような心の絆が芽生えるくだりとの2本柱だ。1時間33分。PG-13。 (明)
(写真)ミルズは巨大な骨を見て未知の惑星に墜落したのだと知る Photo : Patti Perret/Sony Pictures
■上映館■
Regal E-Walk 4DX & RPX
247 W. 42nd St.
AMC Empire 25
234 West 42nd St.
AMC 34th Street 14
312 W. 34th St.