軽妙なスパイコメディ「キングスマン」シリーズの監督マシュー・ヴォーンがウィットとユーモアだけでは物足りないと、キングスマン路線を大幅に逸脱し、アクション満載のマンガ風仕立てで描くド派手スパイ映画。
スパイ小説のベストセラー作家が実際のスパイ大作戦に巻き込まれる、という流れだが、後半にかけてどんでん返しが仕込まれているのでお楽しみに。
「ジュラシック・ワールド」シリーズのブライス・ダラス・ハワード、「スリー・ビルボード」でアカデミー助演男優賞を受賞したサム・ロックウェル、サミュエル・ジャクソンら個性派俳優陣にかわいいスコティシュフォールドのにゃんこが加わる。
エリー・コンウェイ(ハワード)はイケメン・スパイ、アーガイルを主人公にした小説で人気を集めている。シリーズはどれもベストセラーとなり現在、5作目を執筆中。最終章でつまずき、気分展開も兼ねてシカゴにいる両親を訪ねることにした。家族同然のペット、アルフィーをバックパックにしょって汽車の旅だ。
ところが途中の車内で突然、変な男たちに襲われそうになる。助けてくれたのは自称スパイのエイデン(ロックウェル)。エリーの小説が実際に悪の秘密組織とスパイとの戦いを予測している内容で、組織がエリーの命を狙っている、というなんともキツネにつままれたような話だが、殺されかけたのは紛れもない事実でその悪の組織を暴くために2人はロンドンに向かう。
ここからはエリーとエイデンの探索と小説の中のアーガイルとその仲間の活躍とがマージしながら全体のストーリーが進行。思いもよらない黒幕が次々登場、殺し屋たちに追い詰められ危機一髪のところウソのような展開で逃げ延びたりと爆笑シーンにはこと欠かない。
アーガイルに扮するのは「マン・オフ・スティール」でスーパーマン役を演じたヘンリー・カヴィル。7代目ジェームス・ボンド候補に挙がっているだけあり、華麗で無敵ぶりのスパイ役にはうってつけ。2時間19分。PG-13。 (明)
(写真)エリー(ハワード)はペットのアルフィーと旅に出る
Photo :Universal Pictures; Apple Original Films; and MARV
■上映館■
Regal E-Walk 4DX & RPX
247 W. 42nd St.
AMC Empire 25
234 West 42nd St.
AMC Loews 34th Street 14
312 W. 34th St.