人間社会の利便性を高めるためのAIロボット。人間の手で作り出されたそのロボットがある日、一人歩きを始める。SF映画ではよくあるテーマだが、比較的シンプルな本作品には科学の進歩と人間の関わり、ビジネスとモラルのバランスといった要素も盛り込まれ、全編を通し気の抜けない物語の展開となる。製作は「BlacKKKlansman]「Get Out」などウイットとユーモアに富むホラー作品が得意のブラムハウス・プロダクション。製作費1200万ドルに対し公開2週目の世界興行成績ですでに1億ドル近くを稼ぎ出す優良株だ。
シアトル・ベースのトイメーカーでエンジニアとして働くジェマ(アリソン・ウィリアムス)はAI人型ロボット「M3GAN」(メーガン)を開発中だ。子どもの遊び相手、家庭教師、ナニー、ボディガードにもなり、子育て中の親にとっては理想のハイテク・マシンを目指している。
超多忙の生活を送るジェマはある日、妹夫婦が交通事故で急死し一人娘のケイディ(バイオレット・マクグロウ)の親権をジェマが受け継ぐという状況に陥った。あまり行き来がなかったため、ジェマもケイディもお互いどこかぎこちない雰囲気で過ごすが、ジェマはプロトタイプのメーガンをケイディに会わせる。
背丈も同じくらいで金髪で目のクリっとしたメーガンはまるで人間のように話し行動する。案の定、ケイディはメーガンを一目で気に入り、一緒に行動する時間が増えるほど大好きになっていく。
メーガンはハード面ではほぼ完成しているがソフト機能を上げるには実際に子どもとの対話、リアクションの習得などで学習能力を高める必要があった。つまり、ケイディに友達を与え、同時にメーガンの完成度を高める一石二鳥が期待できるはずだった。
しかし、すべてが予定通りに行くとは限らない。ジェマ、ケイディ、メーガンの関係、ケイディを様々な敵や障害から守ろうとするメーガンの行動などジェマの想像を超える出来事が次々と起こる。監督は「Housebound」ジェラード・ジョンストン。PG-13。(明)
(写真)ケイディはメーガンが大好きになる Photo : Geoffrey Short/Universal Pictures
■上映館■
Regal E-Walk 4DX & RPX
247 W. 42nd St.
AMC Empire 25
234 West 42nd St.
AMC Loews 34th Street 14
312 W. 34th St.