戦地に行った父親の帰りを待つマーチ家の姉妹
Photo :Wilson Webb/Columbia Pictures
ルイーザ・メイ・オルコットの名作「若草物語」を女優・脚本家・監督のグレタ・ガーウィグが 映画化、クラシックの根幹を残しながらも現代的かつ新鮮なタッチで描く。
約150年前に発表された「若草物語」は1917年のサイレント・フィルムを含め、過去に7回映画化されており、キャサリン・ヘップバーンがジョーに扮した1933年作品、エリザベス・テイラーがエイミーに扮した1949年作品などがよく知られている。物語の本筋は誰でも知っているが、それぞれ映画化された時代の匂いが伝わってくるのが魅力の一つだ。
ガーウィグは姉妹の自我と独立心、家族への愛情など心の動きをまっすぐに映し出すことで全編に明るさが漂う演出をしている。
キャスティングは人気、実力面で申し分のない布陣だ。やや保守的な長女メグには少女時代にハリーポッター・シリーズを経て「美女と野獣」(2017年)などトップ女優の仲間入りをしたエマ・ワトソン。男勝りで作家志望のジョーに「レディ・バード」を含め3回のアカデミー候補にノミネートされているシアーシャ・ローナン。
ガーウィグがこの物語に「今の時代」を取り込むとすればジョーの独立心の強さとフリースピリッツだろう。その期待に応えてローナンは躍動的でのびのびとした演技を見せる。
マーチ家の母親にはローラ・ダーン、裕福な大伯母にメリル・ストリープ。ストリープは脇ながら相変わらず存在感たっぷりで笑いを巻き起こす。
物語はジョーがニューヨークの出版社に原稿を持ち込み、採用されるところから始まるが、すぐに姉妹がまだ10代半ばだった頃に戻り、様々な出来事を通じて彼女らが少しずつ成長していく様子が描かれる。時代が行ったり来たりする一方で姉妹の衣装やルックスがそれほど変わらないため、紛らわしい部分があるが物語をよく知っている人にとっては逆に一種のリズム効果が出るのかもしれない。2時間15分。PG。 (明)
https://www.sonypictures.com/movies/littlewomen
■上映館■
AMC Empire 25
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AMC Loews 34th Street 14
312 W. 34th St.
AMC Lincoln Square 13
1998 Broadway