編集後記 10月23日号

編集後記

 みなさん、こんにちは。第49会衆議院選挙が今月31日の日本国内投票に先駆け、20日から在外公館で始まりました。私も初日の昨日午前、本紙の取材と同時にニューヨーク日本総領事館に行って投票を済ませてきました。本紙今週号では4~5面で「海外有権者の声、日本の国政に届くか」と題する在外選挙緊急座談会を開催しました。参加していただいたのは海外有権者ネットワークNY共同代表の竹田勝男さん、同じく共同代表の竹永浩之さん、ジャーナリストで元OCSニュース編集長の武末幸繁さん、同じくジャーナリストの元共同通信ニューヨーク特派員の津山恵子さんの4人。ニューヨーク日系人会(JAA)の会場をお借りして意見を聞きました。今回の選挙は日本の大きな転換を考えるための選挙。安倍政権の継承に対する審判になる(武末)。先進国の中で唯一25年間の不景気に甘んじている日本を変えていくための選挙(津山)、あまりにも短期の準備期間で前回の投票率54%を下回るのではないかという今回の選挙、少しでも投票率を上げるために声をかけた(竹田)、在外選挙に関わって30年の竹永さん「有権者に対して言いたいことがある。日本人は自分で社会を下えられると思っていないのが問題だ」と。在外選挙は、選挙認証を取得したり投票するのに手間がかかるのは事実だが、いまだに在外選挙投票率が1%台しかないのは、権利放棄に等しい。在外選挙制度という入れ物、達磨を作っても目玉が入っていない、仏を作っても魂が入っていない。日本では各政党がばらまき財政と批判されるほど、国民に聞こえの良い給付金支援などを公約に掲げている。「国民の皆さん全員に~。国民一人一人に給付金を支給します」という公約の中に「海外の邦人のこと頭に入れてますか」と各政党の皆さんにお聞きしたい。公約を真に受けて在外選挙で投票したあと「あれは海外の人は例外ね」と除外されたのが前回の選挙だった。海外に有権者がいても、投票率が1%では、政治家は見向きもしない。制度の不便さを言い訳にして在外選挙に投票しないのでは、海外の日本人は、いつまでたっても政策の蚊帳の外になってしまう。今日、平成12年からスタンプを押してある在外選挙人証の記入欄の空白がとうとうなくなり、更新手続きをしてきて、一体いつまで同じことを続けるのかと自問した。それでも投票は続ける。NYでの在外公館投票は今月24日(日)午後5時まで。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)